給排水音および落下振動等を抑制して産卵を促進する水槽


水槽で雌雄を同居飼育して産卵を促進し、生産性を上げるためには、常時自然な交尾が可能な環境を実現することで、良質卵を長期的、且つ安定的に産卵させる必要がある。本発明は、クルマエビの交尾活動を活発化して良質卵を長期的、且つ安定的に確保することを目的として開発された水槽である。今まで日本国内においてはクルマエビの親エビの人工飼育管理とそれにともなう産卵について、特許の取得を伴う公開された技術報告事例はない。日本産クルマエビの交尾、成熟および産卵について国内外に多くの報告があるがいずれも非特許であり、殆どが産卵、飼育管理に関する報告で、装置に関する報告は非常に稀である。本発明で申請公開された内容は、効率的な交尾、産卵、飼育の条件に関する雌雄比率等の飼育条件に関する特許とともに装置の構成、設計についてもその特許範囲に含まれているのが特徴である。養成クルマエビの雌雄を屋内水槽に同居収容して交尾を誘発する際に、十分量の飼育海水を給水して流水飼育を可能とするために、給水パイプの先端を水槽の水面下に水没させて落下音や振動を抑制するとともに、排水についても排水パイプの形状を工夫して排水音と振動を抑制する水槽の構造となっている。更に海洋深層水と表層水を混ぜることで温度調節を行い産卵を促進する。

ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
生活・文化
生活・文化
その他
その他
熱帯魚の飼育装置
  ○熱帯魚の種の中には音に非常に敏感な魚がおり、これらの飼育に適する
  
生活・文化
生活・文化
観葉水中植物の水槽
  ○音楽喫茶等の静寂な条件を要求される環境での水中植物用に適する

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・供与条件:許諾のみ
market potential 本発明の他分野への応用には2つの視点での展開が可能である。1つは雌雄比率、温度管理等の飼育条件等に関するもので、この場合には応用の対象が水棲生物に限定される。水中で交尾、産卵により繁殖することにより増殖する水棲生物は多種類あり、これらについては本発明の技術的特長が応用できる場合がある。一方、装置的な特徴を応用する場合は、パイプの先端を水槽の水面下に水没させて落下音や振動を抑制するとともに、排水についても排水パイプの形状を工夫して排水音と振動を抑制する水槽の構造が他の広い分野への応用の可能性が考えられる。一般には化学反応等の反応促進または調節のためには適度の撹拌や水流による混合が必要とされるが、非常に遅い反応を求める場合には撹拌や混合が目的の阻害要因となることも考えられる。


タイトル
(ライセンス情報)
養成クルマエビの産卵促進方法並びに産卵促進装置

特許権者 沖縄県

ライセンス情報番号 L2009004671

お問い合わせ先

沖縄県
企画部 科学技術振興課
主任技師
寺本 美幸
   

〒 900-8570
沖縄県那覇市泉崎1−2−2
TEL:098-866-2560  FAX:098-866-2799
E-mailAddress:
   aa012100@pref.okinawa.lg.jp





出願番号 特願2007-206851

公開番号 特開2008-136478

特許番号 特許4149499

権 利 存 続 期 間 16年11ヶ月(平39.8.8)

権利化情報  出願日/平19.8.8 公開日/平20.6.19 登録日/平20.7.4

用語解説 
海洋深層水 200メートル以深の深海に分布する表層とは違った物理的・化学的特長を持つ海水。溶存酸素量が少ない
ポストラーバ エビ等の節足動物の成長過程の1つ。歩脚の外肢が脱落して遊泳作用を止め、脱皮の後潜砂行動を始める
眼柄処理 効率的な採卵のために人工催熟を行なうための手法。片眼柄除去、両眼柄除去、ピンチン具等の手法がある

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
 :沖縄県 下司 義雄
・IPC:A01K 61/00

原稿作成 
原稿作成:青山 進  有限会社青山技術士事務所 PDF