異なる種類のゴム材の接合面に超音波パルスを照射し、その反射パルスを分析して接合状態を検出する


本発明は製紙用マシーンの金属製ロールの表面にライニングされた種類の異なる多層ゴムの接合状態を検査する方法に関するものである。その特徴は、前記多層ゴムに広域帯の超音波パルスを入射し、ゴムの境界面からの反射パルスを受信して、その振動波形や到達時間、音圧強度等を分析することにより、境界面の位置を特定すると共に境界面の剥離状態を検出判定するものである。従来製紙用マシーンのゴムライニング金属ロール等のゴム接合部の剥離検査は、経験者による外観目視や打音検査が一般に行なわれ正確さに欠けていた。超音波探傷装置を用いる方法もあるが、狭帯域の超音波を用いているので、上記金属ロ−ルのように異なる種類のゴム材同士が接合された多層部材への適用は困難であった。これに対し、本発明では広域帯の超音波を用いることで異なる種類のゴムを接合した多層ゴムの接合状態の正確な検査を可能とした。広域帯の超音波はゴム部材での減衰度が狭域帯のそれよりも小さいので、ゴム境界部の剥離の有無や内部の傷、その場所等を正確且つ迅速に把握することができる。本発明は製紙マシーンのゴムライニング金属ロール以外に、異なる種類のゴム材同士が接合された多層部材の接合状態の検査に広く適用できる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
機械・加工
機械・加工
発電所設備の各種ライニング接着状態の検査
  ○発電所設備の排煙脱流装置、電解槽等のライニング層接着状態の検査に活用
輸送
輸送
船舶部品のライニング接着状態の検査
  ○中・小型船舶の推進軸に施工されている多層ゴムライニングの接着状態の検査に活用
化学・薬品
化学・薬品
反応槽、攪拌翼等のライニング接着状態の検査
  ○化学・薬品業界の反応槽、攪拌翼、ポンプ、パイプ等に使用の多層ゴムライニングの接着状態の検査に活用

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導:有り
・ノウハウ提供:有り
・供与条件:許諾のみ
market potential ゴムライニングは金属にゴムを接着して表面を保護することで、酸やアルカリ等による腐食、衝撃や回転による破損や磨耗等を防止する目的で各種工業製品に利用されている。ゴムの種類は軟質天然・硬質天然・合成ゴム等が用途に応じて選択されている。発電所関係では復水器、電解槽、排煙脱硫装置等、造船関係では海水管、イナートガス装置等、化学関係では反応槽、攪拌翼、ポンプ等にゴムライニングが用いられている。中・小型船舶の推進軸では1層目に耐水性に優れたエボナイト、2層目に外的衝撃を吸収する天然ゴムの2層ライニングが施工されている。本発明では製紙用の金属ロールの1層目に接着性の強いゴム、2層目には摩擦係数の高い耐熱ゴムが接合されている。本発明は金属ロールに限らず、上記のように多層ゴムライニングを施工している多くの工業製品の多層ゴム間接着状態の検査用に活用が可能である。


タイトル
(ライセンス情報)
多層部材の検査方法

特許権者 四国エックス線株式会社

ライセンス情報番号 L2009001251

お問い合わせ先

四国エックス線株式会社
代表取締役
岡 真人  

〒 763-0093
香川県丸亀市郡家町3355
TEL:0877-22-8032  FAX:0877-22-8059
E-mailAddress:
     web@shikoku-x-ray.com





出願番号 特願平11-195242

公開番号 特開2001-021541

特許番号 特許3705960

権 利 存 続 期 間 9年6ヶ月(平31.7.9)

権利化情報  出願日/平11.7.9 公開日/平13.1.26 登録日/平17.8.5

用語解説 
ゴムライニング 酸やアルカリによる腐食や振動や騒音等の防止用に金属にゴムを接着して表面を保護すること
超音波 振動数が2万Hz以上で人間に聞えない音波。医学診断、材料内部の欠陥検査等に用いられる
超音波探傷 超音波を鋼材等に入射して反射波を分析し、内部の亀裂等の有無や場所を外部から検査する方法

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・アドバイザー名:香川県 黒田 茂
・IPC:G01N 29/10
参照可能な特許流通支援チャート
    :14年度 一般9 超音波探傷技術

原稿作成 
江原 勝也  株式会社ベンチャーラボ PDF