石積壁の地震時の変形防止および強度増加機能が従来以上で且つ建設コストも低廉となる耐震補強方法


本発明は鉄道沿線の石積壁に関するもので、地盤法面の保護のために地盤法面に沿って積石材を積み上げ、積石材間の空隙には石材よりも小径の栗石を充填し、積石材の背後の地盤との間にも小径の栗石を充填することにより構築される石積壁の耐震補強方法で、地震時の変形や崩壊を防止できる。石積壁の表面で4個の積石材が会合する付近をコア抜きカッターで除去し挿入開口をあけ、開口後端が固化材(グラウト材)の流入口となる打込注入管を打込注入管の吐出孔等が上方に向くようにして挿入し、固化材(グラウト材)を注入した後に打込注入管を引き抜いて硬化させ、球根状の固化領域を4個の積石材の背後と地盤との間に形成する工程を繰り返し、固化領域を石積壁の表面から見た平面配置が散点状になるように複数作ることを特徴とする。また、本発明は石積壁の地震時の変形防止機能および地震時強度増加機能が従来の石積壁の耐震補強方法と同等以上で、且つ建設コストも低廉となる石積壁の耐震補強方法に関するものである。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
土木・建築
土木・建築
山間部のがけ崩れの防止
  ○山間部道路などの山崩れ防止用石積壁の補強に活用
土木・建築
土木・建築
住宅切土のり面の補強
  ○宅地造成の際施工されている石積壁の耐震補強
輸送
輸送
道路擁壁の補強
  ○鉄道や高速道路などのトンネル坑口にある石積壁の崩壊防止に活用

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 本発明は、石積壁の耐震補強方法の施工を行う土木・建築業や、法面保護工として石積壁を有する鉄道事業者等で実施可能で、これらの産業で市場ポテンシャルが大きい。打込注入管の全長が約1mであるため、鉄道線路わきの狭隘な施工現場でも、非常に小型のコア抜きカッターや注入プラント等の小型機械と人力の併用によって、石積壁の耐震補強施工作業を実施することができる。すなわち、大型機械の導入は不要で、営業している鉄道線路に「線路閉鎖」をせずに、作業現場を通過する列車の間合い時間を有効活用して施工でき、鉄道事業者にとってメリットが大きい。従来の石積壁の耐震補強方法のように、積石材の背後の栗石の全容積分を固化させる必要はなく、施工コストが大幅に低減されると共に全体の施工期間を大幅に短縮できるメリットがある。


タイトル
(ライセンス情報)
石積壁の耐震補強方法

出 願 人 財団法人鉄道総合技術研究所、株式会社大林組

ライセンス情報番号 L2008005209

お問い合わせ先

財団法人鉄道総合技術研究所
情報管理部 知的財産 
課長 坂本 義雄

〒 185-8540
東京都国分寺市光町2−8−38
TEL:042-573-7220  FAX:042-573-7357
E-mailAddress:
sakamoto@rtri.or.jp





出願番号 特願2005-101707

公開番号 特開2006-283309

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.3.31 公開日/平18.10.19 登録日/出願中

用語解説 
栗石 「ぐりいし」、土木建築用の直径10〜15cmぐらいの石。多く基礎材として使う
法(のり)面 切土や盛土により作られる人工斜面のこと。道路建設や宅地造成などに伴う、地山掘削、盛土などにより形成
グラウト材 グラウト材は、セメント(例えばポルトランドセメント)と砂と水を混合して生成・注入する

参考情報 
・IPC:E02D  29/02

原稿作成 
鈴木 忠夫  日本アイアール株式会社 PDF