フコキサンチン/フコキサンチノールを含有する安全、且つ有効な血管新生抑制剤および化粧料組成物


毛細血管などの血管から新たな血管が生じ、伸張することを血管新生という。この血管新生は糖尿病性網膜症、アテローム性動脈硬化症等の病態悪化と深く関わっており、近年、血管新生抑制剤を用いたこれら疾病の治療や予防が導入されているが、ほとんど合成されたもので、副作用が懸念され安全性の点で問題がある。本発明は、フコキサンチン、フコキサンチノールが強い血管新生抑制作用を有していることを見出し、人体に安全な優れた血管新生抑制剤を提供するものである。フコキサンチンは褐藻類、微細藻類に含まれるカロチノイドで、例えば、コンブ目やナガマツモ目に属する褐藻類、珪藻等の微細藻類が好ましい。特に常食されているワカメに多く含まれている。フコキサンチン、褐藻類、微細藻類を乾燥、細切、破砕、粉砕、圧搾、煮沸あるいは発酵処理したものを溶媒で抽出処理することにより得られる。フコキサンチノールはフコキサンチンを代謝処理することにより得られる。血管新生抑制剤に含まれるフコキサンチンやフコキサンチノールは0.000001〜10重量%の極めて低濃度で充分である。フコキサンチンおよびフコキサンチノールは化粧料組成物に添加することにより、シワの改善だけでなく、肌のハリやツヤを高める効果が期待できる。シワは紫外線照射により血管新生が促進されたことによることも原因といわれており、シワの抑制効果が期待される。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
化学・薬品
化学・薬品
化粧料組成物の製造・販売
  ○フコキサンチン、フコキサンチノールを含む化粧料組成物を製造・販売する
化学・薬品
化学・薬品
血管新生抑制剤の製造・販売
  ○フコキサンチン、フコキサンチノールを含む血管新生抑制剤を医薬としての承認を得て製造・販売する
生活・文化
生活・文化
血管新生抑制剤を用いた医療
  ○フコキサンチン、フコキサンチノールを含む血管新生抑制剤を用いて疾患の治療・予防を行う

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:譲渡または許諾
market potential 厚生労働省の調査報告によれば、糖尿病の総患者数(継続的に治療をしている患者数)は平成14年に228万4,000人であったものが平成17年に246万9,000人に増加しており増加の傾向にある。同報告では糖尿病患者の医療費は平成16年に1兆9,000億円に達していると報告されている。このように、糖尿病に限定しても副作用がなく効果の大きい血管新生抑制剤の商品化を待っている患者は膨大で、多額の医療費が使用されている。本発明は血管新生抑制剤、化粧料組成物だけでなく、リウマチ様関節炎、バセドウシ病、カボジ肉腫、アルツハイマー病、歯周病、強皮症、緑内症、乾癬、加齢黄斑変性症などの血管新生が関係する疾患の治療、または予防に使用できる医薬組成物にも適用できるものであり、医療分野で巨大な市場規模を構成する可能性がある。


タイトル
(ライセンス情報)
血管新生抑制剤

出 願 人 国立大学法人京都大学

ライセンス情報番号 L2008003404

お問い合わせ先

国立大学法人京都大学
産官学連携センター 知的財産室 
福元 隆

〒 606-8501
京都府京都市左京区吉田本町
TEL:075-753-5202  FAX:075-753-7591
E-mailAddress:
ip-office@icc.kyoto-u.ac.jp





出願番号 特願2006-171741

公開番号 特開2008-001623

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平18.6.21 公開日/平20.1.10 登録日/出願中

用語解説 
フコキサンチン 天然に存在する色素カルテノイドの1つで、海藻類に含まれ、抗酸化力が強い橙色の色素
フコキサンチノール フコキサンチンからCH3COOHが除かれた代謝産物で、フコキサンチンと同じ働きをする色素
アテローム性動脈硬化症 動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起を発生して血液を流れにくくする動脈硬化症

参考情報 
・IPC:A61K  31/336

原稿作成 
諸角 和則  株式会社ベンチャーラボ PDF