所望信号に対する追従機能が極めて優れた適応フィルタ


本発明は、適応フィルタに関するもので、目標とする信号への追従性能を大幅に改善したものである。適応フィルタは出力信号と目標とする信号(所望信号)との誤差が最小になるように適応処理を行うフィルタであり、通常有限長インパルス応答フィルタ(トランスバーサルフィルタ)が使用され、そのフィルタ係数が適応アルゴリズム(計算方法)を用いて、信号が入力するごとに調整される。本発明の特長は、2個の次数の同じ第1と第2のトランスバーサルフィルタを組み合わせて使用し、第2のフィルタに洗練機能を持たせたことである。すなわち第1と第2のトランスバーサルフィルタの各々に同時に入力信号が加えられる。そして第1トランスバーサルフィルタの出力は所望信号との差分が小さくなるようにフィルタ係数を算出して、その後正規化最小平均自乗係数調整部を介してその出力を第1と第2のトランスバーサルフィルタの入力部に入力する。本フィルタの出力は、第2トランスバーサルフィルタ出力である。このような構成をとることにより従来1個のトランスバーサルフィルタを用いた適応フィルタに対して格段に誤差を小さくでき追従性能が向上する。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
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情報・通信
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生活・文化
生活・文化
信号予測
  ○宇宙電波観測への応用。盗聴器等の微弱電波・違法電波等の受信同定
  
  
電気・電子
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情報・通信
情報・通信
生活・文化
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通信路等化器
  ○移動無線通信回路、宇宙通信回路、海底電線回路等の高性能適応等化器として利用
  
  
電気・電子
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情報・通信
情報・通信
土木・建築
土木・建築
ノイズキャンセラー
  ○携帯電話等の通信雑音除去。オーディオ・ビデオの音質・画質の向上。建築・土木の騒音対策
  
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:譲渡または許諾
market potential 現代は携帯電話に代表される情報通信時代である。一方で工業生産、すなわち電気、運輸、重機などの使用によって生じる過酷な雑音に満ちている。そのような環境下にあって本特許は広範囲の応用が考えられる。第1は通信回線、回路の自動等化器への応用である。市場規模も非常に大きいと推定される。第2はノイズキャンセラー、エコーキャンラー等への利用である。これらは騒音除去、低減化、静音化、消音等々の応用として身の回りの生活に密着した今後ますます製品への応用が拡大するものと推測される。第3の分野は信号予測の分野である。微弱な電波のキャッチや盗聴器や違法電波発信源の同定など今後のユビキタス社会ではますます需要が増大するものと予想される。第4の分野は本特許では特に触れていないが、フィルタの使用個数を2個から更に個数を増やすことによって特性の更なる改善が可能となり、より広範囲の応用が期待される。


タイトル
(ライセンス情報)
適応フィルタ

出 願 人 国立大学法人埼玉大学

ライセンス情報番号 L2008002170

お問い合わせ先

国立大学法人埼玉大学
総合研究機構 地域共同研究センター 
知的財産部 シニアコーディネーター
角田 敦

〒 338-8570
埼玉県さいたま市桜区下大久保255
TEL:048-858-9106  FAX:048-858-9120
E-mailAddress:
sumita@mail.saitama-u.ac.jp





出願番号 特願2005-218605

公開番号 特開2007-036791

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.7.28 公開日/平19.2.8 登録日/出願中

用語解説 
適応フィルタ 最適化アルゴリズム(計算法)に従って、その伝達関数(特性)を適応させたフィルタ
トランスバーサルフィルタ 横に連なった構成でこのように呼ばれる。有限長インパルス応答フィルタのこと(FIRフィルタ)
正規化最小平均自乗アルゴリズム 別名学習同定法。最小平均自乗アルゴリズムの係数修正項を正規化したもの

参考情報 
・IPC:H03H  21/00

原稿作成 
青山 進  有限会社青山技術士事務所 PDF