微小孔の寸法調整して微小流路と組み合わせ、脂質の量や液体導入圧力を制御した脂質二重膜の形成方法・装置


従来のはけ塗り法とLB法は共に、チャンバ容量に無駄が多く、個々の電気生理計測は困難で再現性に乏しい。細胞膜に直接ガラス管の先端を接触させて吸引し、イオン量を膜電流として計測するパッチクランプ法には、物質輸送に関わる膜タンパク質に計測可能な膜電流の発生がない。テフロンシートなどに小孔を開け、脂質二重層を再構成する平面膜法は、再現性、安定性は低く、複数の脂質膜の同時再構成は至難である。問題解決のため、基板(チップ)と、この基板上にマイクロ流路を形成し、このマイクロ流路上に漏斗状の穴と微小孔とを連通するするように設ける。漏斗状の穴を単位として形成されるチャンバとチャンバ内圧力調整手段とを持たせ、微小孔を複数個配置する。チャンバ側とマイクロ流路側にそれぞれ配置されるマイクロ電極と、このマイクロ電極に接続されるパッチクランプ増幅器を備えることで、脂質二重膜の膜電流が測定可能となった。すなわち、小型チップ上に再現性良く、安定して脂質膜を再構成できる計測プラットフォームを実現した。微小孔のサイズを調整し、平面膜の安定化を図り、微小流路と組み合わせ、脂質の量や液体導入圧力を制御した結果、再現性が向上した。さらに物質輸送イメージングが選択的に行えるようになった。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
化学・薬品
化学・薬品
有機材料
有機材料
生活・文化
生活・文化
圧着糊
  ○糊をマイクロカプセル化し、封書・梱包用シートのシール部に適用する。作業の簡素化で人件費を大きく削減
  
  
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
生活・文化
生活・文化
匂いカプセル
  ○芳香性物質をマイクロカプセル化して着物地に織り込む。長期間芳香が漂いストレス社会に癒しを与える
  
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 本発明による装置のガラス基板側の流路から成膜成分と匂い成分を含むバッファ液を供給し、脂質二重膜に限らず安定した膜を基板(チップ)下面に作る。ロートの広がり側へ膜を貫通孔から膜を球殻状に引き出すようにチャンバ内の圧力を調整し、表面張力を利用して匂い成分含むバッファ液を球殻に閉じ込めマイクロカプセル化する。微小穴には表面張力で再び膜ができる。これはシャボン玉が連続してできるのと同じ原理である。糊の場合は微小穴直下に設けたノズルから膜を破壊しない程度に糊を押し込みマイクロカプセル化する。このマイクロカプセルを紙等の基盤に貼り付け製品化する。郵便では封筒の封止部に、宅配・小売業では荷物や商品の梱包に適用できる。押し付けるだけで接着でき、作業効率が良くなるので該当業界への受け入れは可能である。現在の流通状況では市場規模は年間数億円以上と見込める。


タイトル
(ライセンス情報)
脂質二重膜の形成方法およびその装置

出 願 人 財団法人生産技術研究奨励会

ライセンス情報番号 L2008001891

お問い合わせ先

財団法人生産技術研究奨励会
産学連携支援室
  室長 阪井 眞人

〒 153-8505
東京都目黒区駒場4−6−1
TEL:03-5452-6094  FAX:03-5452-6096
E-mailAddress:
rensaka@iis.u-tokyo.ac.jp




出願番号 特願2005-136111

公開番号 特開2006-312141

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.5.9 公開日/平18.11.16 登録日/出願中

用語解説 
マイクロカプセル 大きさ数μm〜数百μmの範囲にある容器の総称である。内部に入れる芯物質と閉じ込める壁とからなる
表面張力 分子間に作用する力で、分子同士が引き合い凝縮する。表面を極小化しようとする傾向を持つ液体の性質
ノズル 流体の流動方向を定めるために使用されるパイプ状の機械部品。流量、流速、方向、圧力制御に使用される
芳香性物質 木屑や醗酵微生物から発散・生成される人間に好ましい香りを有する物質の総称でベンゼン環を有する

参考情報 
・IPC:B01J  19/00
参照可能な特許流通支援チャート
    :16年度 化学4  有機EL素子
    :16年度 電気29 電気二重層コンデンサ
    :17年度 一般18 ナノ粒子製造技術

原稿作成 
山本 良一  NTT-AT IPシェアリング株式会社 PDF