室内環境で利用可能な光触媒


本発明は、太陽光や室内照明に含まれている高い紫外光以外にも、これよりエネルギーの低い、波長の長い可視光領域の光に対して触媒活性を有し、光スペクトルを効率よく利用できる光触媒の製造方法に関するものである。本発明の光触媒は、鉛とニオブとマグネシウムからなり、これらの比率が極めて広範な領域にわたる複合酸化物半導体からなる光触媒であって、一般式;PbxMgyNbzOw(0<x≦3、0<y≦2、0<z≦3、0<w≦10)で表される組成を有する複合酸化物半導体からなる可視光応答型光触媒材料であり、光を照射すると可視光領域の波長のスペクトルを十分に吸収することができ、これまで実用化されてきた酸化チタンをベースとした紫外光応答型光触媒に比較して、極めて優位性を持つ材料である。また、紫外光のみならず、可視光を利用して工場などで最もよく利用されているVOCの一種でもある2−プロピルアルコールを効率よく分解でき、シックハウス症候群の原因ガスの一つであるアルデヒドガスや環境ホルモンなどの有害物質も分解、除去することができる能力を有している。さらに光触媒の機能として注目されている光触媒を汚れが付着しやすい表面にコーティングし、付着した汚れが光の作用によって分解するセルフクリーニング技術にも供することができる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
繊維・紙
繊維・紙
化学・薬品
化学・薬品
汚れにくい照明器具
  ○照明器具の装飾部分への触媒処理による防汚効果、脱臭効果が得られる
  
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
生活・文化
生活・文化
抗菌効果、防曇効果がある生鮮食品用ショーケース
  ○生鮮食品用ショーケースのガラスに光触媒をコーティングすることにより、防曇、抗菌効果がショーケースの照明で発揮される
  
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 本発明は、紫外光のみならず波長の長い可視光領域の光に対しても高い触媒活性を示す可視光応答型光触媒に関するものであり、有害物質とされる有機物の分解や汚れ物質分解浄化および水素発生に用いることができる。これまで実用化されてきた酸化チタンをベースとした紫外光応答型光触媒と比べ、紫外光以外の可視光も利用できることから、悪天候や日照に左右されることなく、室内用の蛍光灯などのように紫外光領域の割合のわずかな光源であっても、十分な光触媒効果が期待できる。そのため、照明器具に塗布等することにより、自然滞留の中で臭気物質等を分解することも可能となり、エアコンなどにも取り付け式で抗菌・脱臭等の効果を付加し、高付加価値の空気清浄機の提供が期待できる。


タイトル
(ライセンス情報)
可視光応答型複合酸化物光触媒

出 願 人 独立行政法人物質・材料研究機構

ライセンス情報番号 L2008000985

お問い合わせ先

独立行政法人物質・材料研究機構
連携推進室 知的財産チーム
  係長 中野 恵介

〒 305-0047
茨城県つくば市千現1−2−1
TEL:029-859-2430  FAX:029-859-2500
E-mailAddress:
NAKANO.keisuke@nims.go.jp




出願番号 特願2006-045933

公開番号 特開2007-222761

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平18.2.22 公開日/平19.9.6 登録日/出願中

用語解説 
バンドギャップ 半導体、絶縁体のバンド構造における価電子帯の頂上から伝導帯の底までの間のエネルギー準位
スペクトル 化学において、試料に対し何らかの刺激を与えた際、その刺激や応答を特徴づける量に対する応答強度の記録
焼結 固体粉末の集合体を融点よりも低い温度で加熱すると固まって焼結体と呼ばれる緻密な物体になる現象

参考情報 
・IPC:B01J  35/02

原稿作成 
秋元 正哉  システム・インテグレーション株式会社 PDF