電子照射による急速に均一表面温度が得られるヒートロール


複写機やプリンターの加熱定着ロールは、主としてランプ加熱方式を利用しているが、一般的にランプに流れる電流がフィラメント温度によって変動することにより、瞬時加熱が困難であり、電熱ヒーター形状の工夫や周辺温度制御のための換気等が行われている。従来の電熱源ではこれ以上の省電力化と短時間に均一に加熱する機能を持つことは困難であり、時代の要求に満足できない状況下であった。そこで、ヒートロール内に電子式熱発生・制御できる構造を考案している。構造としてはヒートロール内は中空で、10−3Pa以下の高真空を維持し、内部のパイプ側面と物理的に接触しない電子源を備える。この間の電位差により電子源からの電界放出電子を起こさせ、ヒートロールの側面に到達させて直接にロールを加熱する方法を採用している。さらに電子源は、起毛処理を施した微小突起構造のカーボンナノチューブからなり、突起の先端サイズはナノスケールとなるためにカーボンナノチューブ先端部において強い電界集中が起こる。このために、より一層低い電圧の印加でも容易に電子放出が起ることになり、より低電圧で高効率の加熱が達成できる。本発明の電子式ヒートロールは、短時間に均一かつ直接的に円筒側面を加熱できる機能を持たせることに成功している。従来の熱源に頼らない、高速で安定な加熱が得られる、低電圧、省電力が可能等の新規性の高い構造としたものである。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
情報・通信
情報・通信
輸送
輸送
船舶用気象情報受信機
  ○船舶航行用には、気象情報が必須であり、天気図、気象情報図等の受信と記録に利用する
  
電気・電子
電気・電子
有機材料
有機材料
その他
その他
基板・資材洗浄・乾燥用ヒーター源
  ○半導体、水晶、工学ガラス、プラスチックス基板等の表面洗浄仕上げ時の即時乾燥用ヒーター等に使用する
  
  

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:譲渡または許諾
market potential 短時間に均一かつ直接的に円筒側面を加熱できる特長は、複写機や印刷機には、必須の機能である。加熱定着ロールを加熱保持せずにしかも使用時に、瞬時に加熱状態に移行できる機能は待ち時間短縮と省エネ魅力を増す事項であり、本発明の更なる効率化と待機時間を小さくできる可能性を考案したものと言って良い。これを使用した応用機器は省電力化にも資する基本的な方式を採用したエコ商品となることは明白である。電気をヒータ等による熱変換技術は、エネルギー効率の悪い方法であり、これから脱却した本方式は、地球温暖化対策に役立つ省エネ技術も備えている装置として応用面も拡大する事は間違いないものと思われる。複写機や印刷機は、オフィスビルには必須の機器であり、省エネと待時間の小さい機種として替え買い需要は図り知れず、新型機器への移行には大いに期待できるものと考えられる。


タイトル
(ライセンス情報)
高効率電子式ヒートパイプ

出 願 人 株式会社ムサシノエンジニアリング

ライセンス情報番号 L2007003398

お問い合わせ先

株式会社ムサシノエンジニアリング
  代表取締役 宮本 和夫

〒 339-0068
埼玉県さいたま市岩槻区並木2−10−10
TEL:048-756-8792  FAX:048-756-8793
E-mailAddress:
miyamoto@musashino-eng.co.jp




出願番号 特願2003-141136

公開番号 特開2004-319418

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平15.4.14 公開日/平16.11.11 登録日/出願中

用語解説 
コールドカソード 加熱の不必要な冷電子放出源の総称。電界放出チップアレイ、シリコンpn接合、MOS構造素子等がある
パンチングメタル 金属等の板をパンチングプレスの金型で穴を開けて加工した板の名称
グラフェン グラファイトの薄い層のこと。シート状のカーボン・ナノチューブに似た六角網目構造をもつ

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・IPC:H05B 7/00

原稿作成 
青山 進  有限会社青山技術士事務所 PDF