制振性、絶縁性及び透磁性に優れた高強度で加工も容易であるFe-Al合金


Al含有量6〜10重量%であり、且つ平均結晶粒径が300〜700μmであるFe-Al合金は、優れた制振性を有しており、制振合金として有用であることが分かっている。しかし、Al含有量が12重量%程度以下であるFe-Al合金において、その有用な特性を一層向上させ、より実用的価値が高いものにするために、如何なる技術的手段を採用すればよいかについて一切知られていない。
本発明は、Al含有量が12重量%以下であるFe-Al合金であって、制振性、絶縁性及び透磁性に優れており、高強度で加工も容易である合金を提供することを目的とする。本発明者等は、鋭意検討したところ、Al含有量2〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金を塑性加工し、これを冷間圧延加工した後に焼鈍することにより、平均結晶粒径が250μm以下であり、従来のFe-Al合金とは異なる組織構造のFe-Al合金が得られることを見出した。更に、従来のFe-Al合金とは異なる新たな特性を備えており、特に、制振性、絶縁性及び透磁性に優れており、高強度で加工も容易であることを見出した。即ち、本発明は、Al含有量2〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる合金を塑性加工する工程、塑性加工した合金を冷間圧延加工する工程、及び冷間圧延加工後の合金を焼鈍する工程、上記工程を含むFe-Al合金の製造方法、及び該合金である。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
金属材料
金属材料
無機材料
無機材料
Fe-Al合金
  ○Al含有量2〜12重量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる。従来のAl含有量12重量%以下のFe-Al合金とは異なる特性を具備する
  
電気・電子
電気・電子
機械・加工
機械・加工
金属材料
金属材料
制振合金として有用
  ○その高制振性に基づき、自動車の車体材料
  ○軸受け
  ○金型用プレスのシム
  ○工具材
  ○DVDの筺体
  ○スピーカ部品
  ○精密機器用部材
  ○制振ブッシュ
  ○スポーツ用具(テニスのラケットのグリップ等)に使用
機械・加工
機械・加工
輸送
輸送
金属材料
金属材料
高強度材料、絶縁合金、透磁性合金等
  ○高加工性に基づく自動車用の高強度材料
  ○高絶縁性に基づくモーターのコア材料等に使用される絶縁合金
  ○高透磁性に基づく各種電磁材料等に使用される透磁性合金

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 本Fe-Al合金は、従来のAl含有量12重量%以下のFe-Al合金とは異なる特性を具備しており、制振性、絶縁性及び透磁性に優れており、高強度で加工も容易であるので、種々の分野で応用することができる。すなわち、本合金は、その優れた制振性に基づいて、自動車の車体材料、軸受け、金型用プレスのシム、工具材、DVDの筺体、スピーカ部品、精密機器用部材、工具材、制振ブッシュ、スポーツ用具(例えば、テニスのラケットのグリップ)等に使用される制振合金として有用である。また本合金は、自動車用の高強度材料として、その優れた絶縁性に基づいて、モーターのコア材料等に使用される絶縁合金として、その優れた透磁性に基づいて、各種の電磁材料等に使用される透磁性合金として有用である。また本Fe-Al合金は、熱しやすく冷めにくいという特性を備えており、IH用の調理器具としても有用である。


タイトル
(ライセンス情報)
新規Fe-Al合金、及びその製造方法

出 願 人 大神田佳平

ライセンス情報番号 L2007003135

お問い合わせ先

財団法人新産業創造研究機構
技術移転センター
  島田 一男

〒 650-0047
兵庫県神戸市中央区港島南町1−5−2
TEL:078-306-6808  FAX:078-306-6813
E-mailAddress:
shimada@niro.or.jp




出願番号 PCT/JP2006/302343

公開番号 WO 2006/085609

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平18.2.10 公開日/平18.2.10 登録日/出願中

用語解説 
合金 ある金属に他の金属元素あるいは非金属元素を添加溶解したものをその金属の合金とよぶ
焼鈍 金属を高い温度に加熱したのち、緩やかな速度で冷却する操作
透磁性 磁気に対して敏感に反応する性質を強磁性材といい、その感度を透磁性という

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・IPC:C21D 9/46

原稿作成 
山本 信夫  株式会社テクノソフト PDF