一対のポーラスコンクリート製ブロックと古タイヤを組み合わせて魚介類生息、稚魚育成に有効な漁礁を提供


海、河川および湖沼に、古タイヤとコンクリートブロックを組み合わせたものを沈設することで漁礁を改良する試みは従来から広く行われてきているが、ブロック本体の製作が煩雑であること、その嵌合完了までに多くの時間を要する等の問題点が指摘されていた。またこれら古タイヤを利用した漁礁は魚介類が住み易い環境を提供するのに有効ではあるが、海産物の減少に繋がる海水の汚染対策には効果がなかった。本発明はこのような従来の漁礁が保持していた問題点を解消しようとするもので、比較的簡単な構造であるにもかかわらず、魚介類が住み易い環境を醸し出す漁礁が容易に提供できると共に、藻や水草類が付着し易くなる等、水産資源の育成増加に寄与できるように工夫されたものである。具体的には、表面に自然石が露出するように埋め込んだ波返し型ポーラスコンクリート製ブロック本体一対を、背面側を所定間隔を保持して併設する構造としている。そしてこの両ブロック背面側を古タイヤで挟持させると共に、上部で両者を連結し一体化し、更に、各ブロックに複数本の筒体を貫設し、その少なくとも2本を古タイヤの内部空洞部に開口させている。このような構造とすることで、簡単な構造であるにも関わらず、従来の漁礁が有していた多くの問題を未然に解消することができるようになった。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
食品・バイオ
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その他
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漁獲高増加
  ○背面に古タイヤを挟持させた一対のコンクリートブロック
  
  
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海草類付着
  ○自然石を植え込んだポーラスコンクリート
  
  
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海洋汚染防止
  ○波返し型ブロック構造による海水の湧昇流発生
  
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導:有り
・ノウハウ提供:有り
・供与条件:譲渡または許諾
market potential 本発明はコンクリートブロック本体に各種の工夫が加えられたことで、従来の漁礁では実現できなかった「海藻類の自然付着繁茂」「湧昇流発生による海水浄化」の効果が期待できるメリットがある。総務省の報告書によると日本の2000年度の内水面を含む漁獲量は500万tで、1990年代に比べ半減しており世界第3位に転落している。本発明が主対象とする沿岸漁業の漁獲高も不振が目立ち、水産資源の回復を目指して漁獲量や漁期の制限、養殖漁業の振興、稚魚放流等の努力が払われているが、本発明で述べた人口漁礁設置もその対応策の1つである。単に魚場を積極的に増やして行くことだけでなく、深刻化する海洋汚染を食い止め、海を再生するとした本発明は今後のビジネスに明るい展望を与えるものである。実績を着実に積み上げると共に、水産庁の認定も得ながら、全国的に普及したいものである。


タイトル
(ライセンス情報)
魚礁

特許権者 株式会社三州コンクリート工業

ライセンス情報番号 L2007003133

お問い合わせ先

株式会社三州コンクリート工業
代表取締役社長
後藤 譲  

〒 879-0151
大分県宇佐市大字宮熊680
TEL:0978-32-2055  FAX:0978-32-2056
E-mailAddress:
     info@sanshu-c.co.jp




出願番号 特願2003-039007

公開番号 特開2004-215632

特許番号 特許3694791

権 利 存 続 期 間 13年(平35.1.9)

権利化情報  出願日/平15.1.9 公開日/平16.8.5 登録日/平17.7.8

用語解説 
漁礁 岩等によって海底に形成された隆起部で、魚が集まって漁場を形成している箇所
ポーラスコンクリート 単位細骨材量を極端に減らした多孔質のコンクリートで、空隙に植物の生育や微生物の棲息が可能
湧昇流 季節風、貿易風等の風、地形変化、潮流等が要因で、海洋深層水が表層近くへ湧き上る現象

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・アドバイザー名:大分県 加藤 賢二
・IPC:A01K 61/00 319
参照可能な特許流通支援チャート
    :14年度 一般6 吸着による水処理技術

原稿作成 
斎藤 達  株式会社ベンチャーラボ PDF