過去の地点気象データによる近隣目的地点の気温推定方法


農業生産における気温の影響は大きく、作物の生育段階や収穫量の予測、栽培施設内の環境調節などには気温は不可欠な情報である。従来から目的地点を含む周辺のアメダス観測データで過去の気象情報に基づく気象変化度を加味することにより気象を予測する方法が取られているが、国土の約7割を山間地域が占める日本においては、各地点の実際の気温を推定するのには現在提供されている気象観測データでは解像度が不十分である。山間地の多い日本においては、数十mメッシュ程度の解像度で気温を推定する技術が必要であり、気温が地点間差が地理的要因と気象要因とから生じることに着目し、目的地点の近隣の気象観測データにそれぞれの要因による影響を加味して気温を推定する方法で、より高い確度で計測できることを考案している。山間地域では気温分布が標高(気圧)の影響を強く受けることを考慮し、気象観測地点と目的地点との気温差そのものを推定するよりも、気温を標準気圧(1000hPa)下における温位に変換して推定を行うことがこの発明のポイントである。また、さらに気象要因による温位差は、放射冷却の強度を用いて求めることもでき、より推定精度をあげることができている。山間地の多い日本においては大変有能な方法と考えられる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
電気・電子
機械・加工
機械・加工
土木・建築
土木・建築
高精度加工装置の温度制御システム
  ○治工具等の高度の寸法精度で加工、建設する装置に気温変化による温度修正制御を付属させる
  
  
電気・電子
電気・電子
機械・加工
機械・加工
高精度計測室制御システム
  ○高精度の計測には、室の環境温度精密制御が欠かせない。このアイデアによる機能を付加した室制御を行う装置に適用する
  
食品・バイオ
食品・バイオ
必要気温差エリアの設定装置
  ○イチゴ等の育成には、果実を得るために特定期間、特定温度で育成する必要がある。このエリアを設定する装置に利用する

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 気温は、農業、土木、建築、環境といった様々な産業において、非常に大きな影響力を及ぼす重要な気象要素である。特に農業生産における気温の影響は大きく、作物の生育段階や収穫量の予測、栽培施設内の環境調節などにあたり気温は不可欠な情報となっている。現在、日本気象協会や民間企業、自治体などが気象情報の提供を行っているが、不十分であり、高い精度で推定できることが求められている。精度を上げる必要性から目的地点の気温を近隣の観測地点の気象観測データから推定する方法として、風速、標高、河川からの距離、温位内挿法等による幾多の方法が提案され、複雑化するばかりで対応しきれない状況下にある。日本においては70%が山間地域であり、これに焦点を合わせた数十mメッシュ程度の解像度で気温を推定する技術は、現在の需要に対応する有効技術である。また、この応用範囲も土木、建築、環境等の事業に拡大することが展望できる。


タイトル
(ライセンス情報)
近隣の気象観測地点における気象観測データに基づいて気温を推定する方法及びそのシステム

出 願 人 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

ライセンス情報番号 L2007002974

お問い合わせ先

社団法人農林水産技術情報協会
特許情報部
  部長 小川 一貴

〒 103-0026
東京都中央区日本橋兜町15−6 製粉会館6F
TEL:03-3667-8931  FAX:03-3667-8933
E-mailAddress:
tokkyo@afftis.or.jp




出願番号 特願2005-305997

公開番号 特開2007-114053

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.10.20 公開日/平19.5.10 登録日/出願中

用語解説 
アメダス 英文の頭文字、AMeDAS。降水量に加えて風向・風速、気温、日照時間の地域気象観測システム
温位 空気塊を断熱的に標準気圧(1000hPa)まで下降(上昇)させた時、空気塊がもつ温度のこと
放射冷却 地面から熱が大気中に逃げることを言う。日射がなくなると地表面温度が下がり、空気が冷やされる現象

参考情報 
・IPC:G01W   1/10

原稿作成 
原稿作成:青山 進  有限会社青山技術士事務所 PDF