スペースをとらず、簡単な管理で飼育できるカワニナとホタルの幼虫飼育装置


ホタルの幼虫やカワニナを人工飼育する装置は、いくつかの水槽を横につなげて自然環境に似せたものがこれまでにも知られている。しかし大量の飼育装置はそれだけ面積を要し、多くのスペースがないと飼育できない上に、維持管理も容易ではないという問題がある。
本発明はこの解決策として、まず、飼育槽を縦に並べて床面積を少なくし、水の循環とろ過のためのポンプやフィルターを含め、この一式をキャスターのついた一台のラックに搭載することで必要に応じて簡単に移動できるようにした。
機能面では、上下に並べた飼育槽の配水口を互い違いに配置することで、飼育槽内の対角線方向に水が流れるように工夫している。飼育槽は生育に適した水位に常に保たれていて、最適水位を超える分は配水口から下の飼育槽に垂直に流れ落ちる。この下への水流によりエアレーションが効果的になされている。そして最下段に貯水・浄化槽を設置し、フィルターで浄化した水をポンプで再び最上段に戻すことによって、装置全体に水流が生じるようになっている。
また、飼育槽は深さの浅いトレイ形なので、飼育生物の観察が容易で掃除がしやすい。さらにカワニナが逃げないように縁には内側に返しをつけるなどの工夫もされ、実用性を高めてある。適切な飼育数であれば、フィルター内部の定期的な清掃と蒸発した分の水を貯水槽に補充するだけでよく、ほとんど水換えをしなくても飼育が可能である。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
機械・加工
機械・加工
輸送
輸送
ホタルの幼虫飼育装置の製造
  ○本発明のコンパクトな飼育装置を製造販売する
  
食品・バイオ
食品・バイオ
生活・文化
生活・文化
ホタルの幼虫人工飼育
  ○本発明のコンパクトな飼育装置で効率的に幼虫の飼育ができる
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 自然環境の悪化に伴い、きれいな小川が減り、そこに生息するカワニナが減少、これをエサとするホタルの幼虫も生きられなくなり、自然のホタルは絶滅の危機にある。このため自然環境を元に戻す努力と同時に、人工飼育による生体の保護が必要となってきている。
ホタルの人工飼育は、親ホタルを産卵〜孵化させ、幼虫の大きさに適したカワニナをエサとして与えながら、終齢になるまで水槽で飼育する。水温や水質の維持が常に必要で、とくに水槽でのカワニナの飼育は難しく、稚貝の入手はさらに困難である。
本発明のような管理作業が大幅に軽減でき、少ないスペースで幼虫飼育と同時にカワニナの飼育と稚貝の繁殖ができる装置は、本格的にホタルを保護・養殖するのに適切なものである。また清流に棲む他の水棲生物の飼育もできることから、学校の理科教材や研究用としても利用できる。さらに、個人の趣味の一環として自宅の庭や室内での飼育も可能である。


タイトル
(ライセンス情報)
ホタルの幼虫とカワニナ飼育装置

出 願 人 中山 万奈美

ライセンス情報番号 L2007002901

お問い合わせ先

 
  中山 万奈美

〒 277-0052
千葉県柏市増尾台4−4−6
TEL:050-3760-8762  FAX:04-7175-3334
E-mailAddress:
hotaruya@cap.ocn.ne.jp




出願番号 特願2005-303614

公開番号 特開2007-082517

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.9.20 公開日/平19.4.5 登録日/出願中

用語解説 
エアレーション 水棲生物を飼育する水中の溶存酸素を補う目的でポンプなどで空気を吹き込むこと
カワニナ 淡水に棲む細長い巻貝の一種。ホタルの幼虫のえさとして有名である
ラック 棚や台といった整頓のために物をそこに入れたり立て掛けたりするもの
終齢 成長〜脱皮を繰り返し、さなぎになる直前まで成熟した幼虫のこと。ゲンジホタルの場合は6齢相当
稚貝 カワニナの生まれたばかりの子貝のこと。カワニナは卵胎生で小さな貝の形で生まれる

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・IPC:A01K 67/033

原稿作成 
吉田 邦雄  システム・インテグレーション株式会社 PDF