磁化率を大幅に低減したMRI対応生体用Co−Cr−Mo合金


本発明は、MRI画像診断処理時に画像乱れを生じないインプラントに適したCo−Cr−Mo合金およびその製造方法を提供するもので、この合金の特徴とするところは、合金組成を28〜35mass%Cr、2〜6rmass%Mo、残部をCoとした点にあり、製造方法の特徴とするところはCo−28〜35mass%Crー2〜6rmass%Mo合金を1000〜1200℃で1〜14時間加熱後、1.7℃/秒以上で急冷し、α相の生成を抑制しながらγ→ε変態を生じさせてε相にする点にある。28〜35mass%Crー2〜6mass%MoーCo合金は、磁場に置いた時に磁化される割合すなわち磁化率が3×10−6emu/g以下という低磁化率が安定して得られ、生体用金属として使用したときにMRI画像診断処理時に生体用金属が磁化されにくく、その結果MRI画像に乱れを生じない。また、28〜35mass%Crー2〜6mass%MoーCo合金の製造方法によれば、磁化率がγ相より小さいε相の合金を生成することができるので、低磁化率の生体用Co−Cr−Mo合金を実現できる。この28〜35mass%Crー2〜6mass%MoーCo合金に、20mass%以下のMnおよび10mass%以下のTiを添加することにより磁化率の一層の低減が図れ、0.3mass%以下のCを添加することにより塑性加工性の向上を図ることができる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
金属材料
金属材料
Co−Cr−Mo合金の製造
  ○Co−Cr−Mo合金の製造
機械・加工
機械・加工
インプラントの製造
  ○Co−Cr−Mo合金を用いてインプラントを製造
生活・文化
生活・文化
インプラント治療
  ○インプラントを用いた医療

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 特許請求の範囲はMRI対応生体用Co−Cr−Mo合金となっていて、MRI画像診断処理に適したインプラント材料を規定している。MRIの普及率は日本が世界一で100万人当たり35.3台で、アメリカの8台、OECD加盟国30カ国の平均5.5台を大幅に上回り、質の高い医療が行われている。一方、高齢化社会の到来で整形外科用インプラント製品の市場規模が増大の傾向にあり、平成17年度の市場規模は1700億円になっている。市場規模の約80%は輸入に依存しているが、MRIの普及に伴いMRI画像診断処理に適したインプラント材料が要求されるようになっている。本発明MRI対応生体用Co−Cr−Mo合金はその要求に応えるもので、日本国内の生体用金属材料メーカに活力を与え、かつMRI画像診断処理を高精度化するものである。


タイトル
(ライセンス情報)
MRI対応生体用Co−Cr−Mo合金およびその製造方法

出 願 人 国立大学法人岩手大学

ライセンス情報番号 L2007001756

お問い合わせ先

国立大学法人岩手大学
地域連携推進センター 知的財産移転部門
技術移転マネージャー
  対馬 正秋

〒 020-8551
岩手県盛岡市上田4−3−5
TEL:019-621-6494  FAX:019-604-5036
E-mailAddress:
iptt@iwate-u.ac.jp




出願番号 特願2005-085604

公開番号 特開2006-265633

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.3.24 公開日/平18.10.5 登録日/出願中

用語解説 
MRI 核磁気共鳴(原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用をする)現象を利用して生体内の情報を画像化する方法
インプラント 治療のために体内に埋設される脳動脈瘤クリップや人口間接のような医療用部材
α相、γ相、ε相 合金の結晶構造の呼称で、α相は稠密六方晶、γ相は複雑立方晶、ε相は最稠密六方晶をいう

参考情報 
・IPC:C22C  19/07

原稿作成 
原稿作成:諸角和則  株式会社ベンチャーラボ PDF