様々な化学構造の置換フェノール化合物を効率的かつ簡便に製造する方法を提供する


ルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下に、トリエノンに代表される各種鎖状化合物に対し閉環オレフィンメタセシス反応を行なうことにより様々な置換フェノール化合物を一段階で製造することが出来る。目的生成物に応じて予め適当な位置に適当な構造の置換基を導入した鎖状化合物A(1、4、7−トリエン−2−オン)、鎖状化合物B(1、5、7−トリエン−2−オン)、鎖状化合物C(1、5、7−トリエン−4−オン)、鎖状化合物D(1、4−ジエン−3−オン)あるいは鎖状化合物E(1、4−ジエン)のそれぞれをルテニウムもしくはモリブデン触媒の存在下で反応させることにより、それぞれに特有の化学構造置換基を有するフェノール化合物を一段で製造する方法である。置換基は、水素または特定の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、シリル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、水酸基、またはハロゲン原子であり、鎖状化合物の特定の二個の炭素間に架橋構造があってもよく、C4〜C10の飽和環または不飽和環を形成してもよい。また、複素環構造があってもよい。目的とする生成物に応じて予め適当な位置に適当な構造の置換基を周到に導入しておけば、閉環オレフィンメタセシス反応を用いる芳香環形成の一段反応だけで、複雑な置換フェノール化合物を高純度で得ることが出来る画期的な製造法である。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
酵素阻害剤
  ○ショウガオール誘導体等の各種フェノール誘導体は酵素阻害剤として有用で、新規医薬品として期待される
非ステロイド系抗アレルギー薬
  ○ステロイドの作用部位である核内受容体に作用する各種サリチル酸誘導体を合成し新規アレルギー薬を開発
繊維・紙
繊維・紙
化学・薬品
化学・薬品
有機材料
有機材料
スーパーエンプラ原料
  ○種々の新規置換フェノール化合物を組み合わせて、性能と加工性を併せ持つスーパーエンプラを開発する
  
  
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
生活・文化
生活・文化
新規殺菌剤
  ○耐性菌にも有効な幅広いスペクトルを持った置換フェノール系殺菌剤
  
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 各種置換フェノール化合物は、動植物など自然界に幅広く存在し、様々な生理活性を有する。これらをリード化合物とする合成化合物が数多く提案され、医薬品、食品添加物等として利用されているが、合成が困難なため未利用の化合物も多い。置換フェノール化合物は芳香族求電子置換反応により合成されて来たが、置換基導入位置が一義的に定まらず、副生物が生じるため分離工程が必須となる。本件提案の鎖状基質からの芳香環直接構築法は、極めて選択率が高く目的物のみを得ることが出来る。目的とする生成物に応じて予め適当な位置に適当な構造の置換基を周到に導入された鎖状化合物を基質として用いるならば、1ショットで高純度の目的物を得ることが出来るので、極めて効率のよい画期的な置換フェノール化合物製造法である。用途は、医薬品(抗腫瘍剤、神経伝達物質、ホルモン、酵素阻害剤、麻酔剤)、殺菌剤、食品添加物、スーパーエンプラ原料、等である。


タイトル
(ライセンス情報)
フェノール化合物の製造方法

出 願 人 国立大学法人千葉大学

ライセンス情報番号 L2007000261

お問い合わせ先

国立大学法人千葉大学
産学連携・知的財産機構
高橋 昌義  

〒 263-3566
千葉県千葉市稲毛区弥生町1−33
TEL:043-290-3566  FAX:043-290-3519
E-mailAddress:
masa-takahashi@faculty.chiba-u.jp




出願番号 特願2005-056609

公開番号 特開2006-241025

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.3.1 公開日/平18.9.14 登録日/出願中

用語解説 
メタセシス反応 位置交換を意味するギリシャ語で、A-BとC-Dとを反応させてA-CとB-Dが生成する反応である
酵素阻害剤 酵素と結合してその働きを妨害する化学薬品、抗生物質。医薬は人体に有害な酵素を無害化するものである
スーパーエンプラ エンプラは耐熱性100℃≦、強度50MPa≦のプラスチック、スーパーエンプラは耐熱性150℃≦

参考情報 
・IPC:C07C 37/50
参照可能な特許流通支援チャート
    :17年度 化学30 抗アレルギー剤

原稿作成 
梶谷 浩一  株式会社テクノソフト PDF