超音波振動で生じる空気膜によってスライダがガイドから浮上している非接触の超音波ガイドユニット


超高分解能の位置決めや高い運動精度の要求に対し、空気静圧案内や高周波振動によるスクイズ空気膜利用技術がある。剛性や振動減衰性が低く、空気源が必要、空気膜を効率的に発生させないなどの問題があった。本発明は、直線スライド・ガイドの微小のクリアランスに、超音波振動による空気膜を生じさせることによる非接触ガイドであり、スライダがガイドを囲む構成とする事、ポアソン効果を応用して効率よく超音波振動を伝える構造を備えることによって、上記の従来技術の問題を解決している。
すなわち、直線ガイドはロッド状のホーンとして用いられ、端面に固定される超音波振動子から生じる加振時の超音波振動の腹位置に張出部を形成する。スライダは少なくとも2箇所の張出部を跨ぐことにより、直線ガイドとスライダ間には微小なクリアランスを有して囲繞している。この構成によって直線ガイドの周面をガイド面として線方向に、非接触で移動可能となる。ホーンとして直線ガイドで生じるポアソン効果現象により超音波振動をほぼスライダ可動方向に直角の方向へ伝播させることで空気膜を効率的に発生させることができる。また、直線ガイドにスライダが囲繞して一定間隔を堅持するので、支持剛性が高くしている。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
機械・加工
機械・加工
輸送
輸送
超精密リニアガイド
  ○フリクションの無い滑り機構を実現する
  
電気・電子
電気・電子
液晶・半導体製造用ステッパー
  ○保守の省けるリニアガイド
機械・加工
機械・加工
無摩擦回転軸受け
  ○高速回転で用いる精密な回転支持機構(ベアリング)

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:有り
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 摩擦を生じないリニアガイドは特に超精密制御の用途で強く求められている。ボールベアリングや油膜を介在しない滑り面を実現できるのでフリクションが生じない。フリクションは、バックラッシュの原因となるだけではなく、異常磨耗、精度低下、支持剛性異常を引き起こすが、これらの問題を解決する事が出来る。適応加重は超音波振動子の能力で定まり、リニアガイドとしての垂直加重は、これまでの実験からは100kg程度まで実現可能である。サブミクロン精度の超精密制御を要する光学機器や加工機器に用いると、従来精密制御のために備えてきたフィードバック系、定期保守などを省くことができる。垂直加重20kg作動距離100mm程度のリニアガイドを年10台の生産で1台当たり100万円で提供可能と推定している。1台5億円の半導体用ステッパーでの付加価値は、1億円以上と考えられ、年10台出荷で10億円以上の市場価値と推定できる。


タイトル
(ライセンス情報)
超音波ガイドユニット

出 願 人 国立大学法人静岡大学

ライセンス情報番号 L2006006765

お問い合わせ先

国立大学法人静岡大学
知的財産本部
  副本部長 出崎 一石

〒 432-8561
静岡県浜松市城北3−5−1
TEL:053-478-1414  FAX:053-478-1711
E-mailAddress:





出願番号 特願2005-099955

公開番号 特開2006-084018

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.3.30 公開日/平18.3.30 登録日/出願中

用語解説 
ポアソン効果 固体をある方向にそって加圧したときその方向に収縮しその方向の直角方向に膨張する現象
フリクション 摩擦のことであるが、物を滑らせる際のギクギク感。位置制御で再現性の無いズレの原因の一つ
スライダ 機械などの滑動部分。直線移動する際の滑り部分

参考情報 
・IPC:F16C 29/02

原稿作成 
山本 良一  NTT-AT IPシェアリング株式会社 PDF