色変換結果を単純行列計算で処理出来るように分類し、色変換時間を短縮


多原色表示装置の色変換における色再現精度劣化原因の一つは、表示装置の色域の狭さである。最高輝度を低下させずに広色域の色を再現可能とすることが求められる。既存の装置のように三原色で広色域表示装置の開発を行なうためには、高彩度かつ高輝度な原色が必要である。また、高彩度だがそれほど高輝度でない原色、及び、高輝度だがそれほど高彩度でない原色が必要となる。線形計画法を利用し表示装置の消費電力の増加なしに色変換を実現出来るが、顕著な色変換時間の増加をまねき、これをいかに抑制するかが課題となる。色変換処理結果を分類モデルで帰納学習させて、線形計画法による色変換を離散分類問題とみなし、分類と単純行列計算により色変換処理を行なうことで、色変換時間を短縮することが可能となる。例えば4,096×3,072画素の解像度をもった、16×3ビットよりなるSHIPPの画像(ヨット)について、6原色表示の場合には色変換時間が320秒から21秒に短縮される。分類モデルを採用した本発明の色変換時間は、線形計画法の色変換時間に比べて約10倍の高速度が得られる。これは、単純行列法の色変換時間が18秒であるのと比較してほぼ同程度である。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
電気・電子
情報・通信
情報・通信
金属材料
金属材料
地下資源探査
  ○衛星写真の色の僅かな違いを明確に区別して変換し、資源の有無や種別、埋蔵量推定の精度や確度を向上する
  
  
情報・通信
情報・通信
生活・文化
生活・文化
癌の早期診断
  ○診断写真の組織の色の違いを明確に区別して変換、場所、大きさなどの診断に必要な情報の判定精度を向上する
肌の診断
  ○素顔を含め素肌の写真から顕在、潜在する染みを本発明の色変換技術で識別し、判定精度向上と時間短縮を図る

関連特許 国内外あり
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 光、特に色を用いた識別は広域から特定の部位を識別する手段として優れている。これはマクロ的には光のもつ波長の違いを識別する技術が大きく進歩しているためである。誤謬を避けるために肉眼での確認をすることも重要である。本発明は色変換を時間や電力の消費を抑制する点で優れているほか、結果として彩度や輝度を落とさず肉眼での識別をも容易にするもので、資源探査や健康診断など産業、医療の分野に最適な技術である。関連市場としては経済産業省の石油対策予算3,102億円(H18)、3,145億円(H19)が計上されておりその1%が探査に向けられるとおよそ6億円となる。医療では高齢化が進み、癌検診対象人口が1,000万人を超えると検診費用年間1,000円として100億円、その1%で毎年1億円規模となる。紫外線による肌の染みは皮膚癌につながる恐れがあり若い女性を含めて早期診断に大きな市場が見込める。


タイトル
(ライセンス情報)
多原色表示装置における色変換の高速化方式

出 願 人 国立大学法人静岡大学

ライセンス情報番号 L2006006683

お問い合わせ先

国立大学法人静岡大学
知的財産本部
 副本部長 出崎 一石

〒 432-8561
静岡県浜松市城北3−5−1
TEL:053-478-1414  FAX:053-478-1711
E-mailAddress:
ip-office@cjr.shizuoka.ac.jp




出願番号 特願2004-356432

公開番号 特開2006-166191

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平16.12.9 公開日/平18.6.22 登録日/出願中

用語解説 
彩度 色の冴え、鈍さといった色の鮮やかさを表わす。色環上の外周が高彩度で、中心は無彩色の灰色
輝度 平面状の光源がある方向に単位立体角あたりに放射する光の光源における単位面積あたりの明るさのこと
線形計画法 ある制約の範囲内で最適解を求める手法。一次不等式の制約上で目的関数の最大、最小値を求める手法
帰納学習 事例と背景知識から帰納的な推論により述語論理を用いて事例を説明し、一般化規則を生成する手法
離散分類問題 対象が原則として不連続でとびとびなこと。連続的な対象は、離散的なものの近似であることが多い

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
参照可能な特許流通支援チャート
    :15年度 電気18 3次元物体識別技術
    :17年度 電気32 CGアニメーション技術

原稿作成 
山本 良一  NTT-AT IPシェアリング株式会社 PDF