シールド線の配置、閉回路を構成により誘電体現象の影響を減少させ線路動特性を向上


音響機器間を接続するスピーカーケーブル、シールド線や同軸ケーブルなどに線路特性変化現象が存在し、複数の楽器の音が互いに輪郭があいまいになったり、発音位置が変化して混合して聞こえるなどの不自然な音の変化が生ずることが知られている。特に比較的安価に構成できる2本のシールド線を組み合わせた構造のケーブルでは、シールド線の芯線とシールド部には必ず逆方向の交番電流が流れることで交番磁界が発生し、交番磁界の発生により電磁気学的な力が芯線とシールド部に発生し誘電体現象が生ずるが、これを確実に減少させ線路特性を改善することはできなかった。本発明は、交番信号源と負荷との閉回路構成にあたり、2本のシールド線を互いに距離を置いて平行に配置固定し、2本のシールド線のシールド部を、それぞれ負荷側で直流的に遮断絶縁したうえ、信号源側のシールド部をそれぞれ信号源側のアースラインに接続することにより誘電体現象を防いでいる。またシールド線の長さを必要長より短くし、複数本を直列接続することにより必要長を確保する梯子型構造にすることにより、電気的な音の増減、音の変調を低減できる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
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生活・文化
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ロケットの姿勢制御システム
  ○衛星打ち上げロケットの姿勢制御システム回路に適用。外部からの誘導を排除して打ち上げ信頼性の向上に寄与
携帯電話端末機器
  ○小型化に伴う部品の高密度配置と配線の近接化を本発明のコード適用で誘導による品質低下を完全防止
電子楽器
  ○パソコン設置付近の電磁波の多い環境でも誘導を排除し、音質を最高に保ち演奏者に大きな満足感を与える

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:有り
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential ロケット内の制御系の信頼性は打ち上げの成否を握る重要なシステムで、部品の信頼性は当然のこと配線コードにも高い信頼性が求められる。従来の配線コードは材料特性に着眼した誘電体現象の低減に配慮されてはいたが不十分であった。本発明は必要な長さを最小限に抑えるなどコンパクト化を指向しており少しでも軽量化を図りたい宇宙開発用のロケットに適用するには最適である。文部科学省のH18年度の科学技術振興予算は8,414億円で、宇宙ステーション関連が500億円である。また、携帯電話端末機器も小型化が進み品質向上に向けて配線の誘導対策は欠かすことができない。携帯電話端末機器は国内で5,000万台を越えている。10年で全てを交換すると年間500万台が生産され、一台あたりのコードのコストを100円と見積もると市場規模は年間5億円となる。


タイトル
(ライセンス情報)
シールド線

特許権者 長谷川 諭

ライセンス情報番号 L2006006598

お問い合わせ先

 
長谷川 諭
 マルチョウエンジニアリング代表

〒 689-3425
鳥取県米子市淀江町佐陀755−1
TEL:0859-56-2207  FAX:0859-56-3100
E-mailAddress:
hesem.marucho@clock.ocn.ne.jp




出願番号 特願2005-195779

公開番号 早期審査対象出願

特許番号 特許3753431

権 利 存 続 期 間 18年6ヶ月(平37.7.5満了)

権利化情報  出願日/平17.7.5 公開日/早期審査対象出願 登録日/平17.12.22

用語解説 
シールド線 単心、多心や対線の信号線をより線、編組、アルミテープが被服構造を取りノイズの侵入を軽減したもの
線路特性 高周波数の伝送信号を利用するとき高品質を維持するために必要な線路の性質で損失と位相に関するものがある
誘電体 プラスティックなど高い誘電率の物質で、広いバンドギャップを有し、直流電圧に対しては絶縁体である
交番信号 0、1など識別可能な二種類の信号を交互に発出し、通信系などの異常を容易に検出するためのもの
閉回路構成 信号線とグランド線の両端を抵抗、コイル、コンデンサーなどを介して電気的に接触させ閉じた構造にしたもの
梯子型構造 信号線とグランド線が長手方向に多数の閉回路構成をとりあたかもはしごのように見えることからこう呼ばれる

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
参照可能な特許流通支援チャート
    :16年度 電気26 電子部品内蔵基盤
    :16年度 電気29 電気二重層コンデンサ

原稿作成 
山本 良一  NTT-AT IPシェアリング株式会社 PDF