手の届かないところも能率的にバリ取りができる装置


機械加工品には多かれ少なかれバリが発生する。表面のバリ取りにはワイヤブラシなどの手加工の他、例えばバレル研磨のような自動的な方法もあるが、例えば細長いパイプの中や入り組んだ形状の部品に対してはバリ取りは容易な仕事ではない。本発明の磁気バリ取り方法は、磁石を利用して加工物の中に磁性を持った砥粒を送り込み、外部に置いた磁石と内部の磁石との相互作用でこの砥粒を動かす事によって内部のバリを取ろうというものである。内部の磁石は、外部の磁石の力でバリのある内壁に強く押し付けられるので、さらに外部の磁石を面に沿って動かせば砥粒と共に内部の磁石も内壁をこすって動き、効果的に容易にバリが取れるのである。この方法であれば、単に砥粒だけを動かすのではなく、磁石同士の吸引力により強い力を掛けられるので機械加工によって生じた強固なバリも落とすことができる。さらに、磁石の一方を永久磁石に、他方を電磁石にすることで吸着力を加工物に合わせて制御することも可能であり、内部の磁石の表面には必要に応じて適切な弾性体を設けて個々に半固定状態で磁性砥粒などを保持させることもできるなど、多様な工作物に対応できるよう工夫されている。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
機械・加工
機械・加工
その他
その他
磁気研磨機の製造販売
  ○本発明の磁気バリ取り機の原理を用いた研磨機を製造販売する
  
金属材料
金属材料
無機材料
無機材料
磁性砥粒
  ○本発明のバリ取り装置に使う砥粒を製造する
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:有り
・ライセンス制約条件について:譲渡または許諾
market potential 機械工作を行なう際にバリの発生は避けられない問題であるので、効果的にこれを除去する方法の用途もまた非常に大きく、あらゆる機械工作現場で必要とされるものである。特に除去の困難なパイプ内部のような場面では、本発明のバリ取り方法は大変効果的なので、この方式を使った汎用性のある装置を提供できるならばその市場性もまた大変大きいということが期待できる。実用化に当たっては、例えば円管であれば内部磁石の形状を内面にフィットするようにどのように調整するかという課題も残るが、いくつかの曲率半径の磁石と適切な弾性パッドを用意することで多くは適用可能であろうし、磁石自体はそれほど高価なものでもないのでワークに合わせて製作しても大きな負担にはならない。外部磁石の方は例えば自動的に動かす装置などと組み合わせれば精密なバリ取り機械の自動化も可能になる。


タイトル
(ライセンス情報)
磁気バリ取り方法

出 願 人 国立大学法人宇都宮大学

ライセンス情報番号 L2006004318

お問い合わせ先

宇都宮大学
知的財産センター
教授・センター長
  山村 正明

〒 321-8585
栃木県宇都宮市陽東7−1−2
TEL:028-689-6318  FAX:028-689-6322
E-mailAddress:
yamamura@cc.utsunomiya-u.ac.jp




出願番号 特願2005-098661

公開番号 特開2006-272533

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.3.30 公開日/平18.10.12 登録日/出願中

用語解説 
バリ カエリとも言う。金属などの切削や切断をした際にその周辺に出る不要な鋭い突起。多くは後加工で取り去る
ヨーク 継鉄という名の通り、磁石の磁極に接触させて磁力線を導く働きをする軟鉄などでできた部材
閉磁気回路 磁極やヨークで作られた磁力線の通り道で、NS両極が接近し磁力線が外に逃げないのを閉磁気回路という

参考情報 
・IPC:B24B  31/112

原稿作成 
原稿作成:吉田 邦雄  システム・インテグレーション株式会社 PDF