安価で、大きな直線運動出力を発生させ且つ精密な位置決め制御が可能なリニア・アクチュエータ


2つの支持部材と2本の回転軸および1本の移動軸と移動部材を平行に設け、さらにこれらをうまく工夫された歯車で組み合わせることにより、差動機構を介して直線運動に変換できるアクチュエータを作ることができる。これは、小さな入力トルクから大きな直線運動出力を発生させるとともに、回転量を比例的に直線運動へ変換することによって精密に位置決め制御することができる。本発明による差動型アクチュエータでは、回転軸と移動軸とを平行に配置する構造にすることにより、アクチュエータ全体をコンパクトにすることができる。また、移動軸の軸方向移動量が、移動部材および移動軸の一の軸方向へ移動する距離と、移動部材に対する移動軸の一の軸方向とは逆向きの軸方向へ移動する距離との差によって定められるため、回転軸の第2雄ねじ部や移動軸の第1雄ねじ部のピッチを大きく設定することができる結果、大荷重を負荷することができる。さらに、例えば歯車のような伝動手段と、回転軸や移動軸のようなねじとの組み合わせで、構成要素が単純であることから、安価に作成することができる。加えて、従来の精密なアクチュエータではできなかったが、ねじやまを安価な台形にしても、十分な性能を出すことが可能となった。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
電気・電子
機械・加工
機械・加工
輸送
輸送
マイクロマニュピレータ
  ○マイクロマシンの加工台、及びマニュピレータ
  
  
機械・加工
機械・加工
その他
その他
精密切削加工用台
  ○医療の現場等などで用いられる硬い材料の精密切削加工を自動化す
る装置に組み込む
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:譲渡または許諾
market potential 本発明は、機構の持つポテンシャルとして、価格、精度ともに従来のものよりも大きなメリットがあるので、時間の経過とともにゆっくりと市場に浸透していく可能性は高い。しかし、現実には、十分な安全性と実績を持っているアクチュエータ機構をリプレースするのは、長い時間がかかるものと思われる。もう一つ考えられるのは、微細加工などの小さな領域でのマニュピュレート装置での基本機構としての可能性もある。本発明の機構によれば、微細な操作が必要な部分を比較的大きなねじ山で対応でき、かつ精度もよいことから、
今後のマイクロマシンの組み立て装置等に用いることができるかもしれない。これからの分野なので、生産ラインに組み込むという形態では、どこまで市場が広がるものかわからないが、研究用としては、すぐにでも実用化できるものと思われる。


タイトル
(ライセンス情報)
リニア・アクチュエータ

特許権者 国立大学法人岡山大学

ライセンス情報番号 L2006003288

お問い合わせ先

財団法人岡山県産業振興財団 岡山TLO
  岡山TLO 上田 文明

〒 701-1221
岡山県岡山市芳賀5301
TEL:086-286-9711  FAX:086-286-9706
E-mailAddress:
fueda@optic.or.jp




出願番号 特願2005-233166

公開番号 特開2007-046734

特許番号 特許3887689

権 利 存 続 期 間 17年7ヶ月(平37.8.11満了)

権利化情報  出願日/平17.8.11 公開日/平19.2.22 登録日/平18.12.8

用語解説 
アクチュエータ アクチュエータとは、電気エネルギーや熱エネルギー、化学エネルギー、圧力などを機械的な運動に変換する駆動装置
マイクロマシン 半導体技術などを用いて、ごく微小な駆動機械
リニア 直線的な動きや形のこと

参考情報 
・IPC:F16H  25/20

原稿作成 
原稿作成:須賀 雅信  日本アイアール株式会社 PDF