対象物を熱変質させることなく急速乾燥が可能なマイクロ波を用いた減圧乾燥方法と装置 |
マイクロ波を用いた本減圧乾燥装置は、乾燥対象物を入れるチャンバーと、チャンバーと接続されてチャンバー内を減圧する減圧ポンプと、チャンバー内の乾燥対象物にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段と、外部からチャンバー内に気体を導入してチャンバー内に気流を発生させる気流発生手段と、これらを制御する手段とから構成される。その減圧乾燥方法は、減圧ポンプが接続されたチャンバー内に対象物を入れ、チャンバー内を減圧状態にして、対象物にマイクロ波を照射して乾燥処理を行うもので、マイクロ波をオンオフ制御することにより、対象物の温度を対象物の熱変質温度未満に保持した状態で対象物の乾燥を実行する。チャンバー内の減圧は、対象物の熱変質温度に対応する飽和蒸気圧以下になるように制御し、チャンバーの外部からはチャンバー内に気体を供給し、対象物の周囲に気流を発生させた状態で乾燥を行う。対象物の表面および内部が熱変質温度以上にならないように、蛍光式の光ファイバー温度計等による監視を行いながらマイクロ波の照射を制御するが、同種の対象物を繰り返し処理する場合には、予め得られているデータを基に既定の照射サイクルとして組み込むことで温度計測を省くこともできる。また、対象物の取り込み、乾燥処理、取り出し等の一連の動作をコンベア式に行う自動化も容易に実現できる。
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ユーザー業界 | 活 用 ア イ デ ア |
![]() 電気・電子 ![]() 機械・加工 ![]() 生活・文化 | 靴乾燥システム ○スキー場や雨天時のゴルフ場で使用した靴等の乾燥を行う。靴、着衣、手袋、帽子等を所定のロッカー形式の搬入ステーションに収納し、マイクロ波減圧乾燥ステーションを経由して搬出ステーションから引き取るコンベア式急速乾燥システムに適用し、大容積の温熱乾燥ルームが不要な省エネルギー乾燥を実現する。また、これを簡便化することにより、デパート入口等に置くコンベア式雨傘乾燥機にも適用できる |
![]() 電気・電子 ![]() 機械・加工 ![]() 食品・バイオ | 穀物乾燥機 ○コンバインで収穫した米、麦、大豆、小豆、蕎麦等の穀物は、脱穀や貯蔵に適した含水率以上であることが普通であり、早期の乾燥が必要となる。穀物の種類毎に含水率は異なるため、本乾燥方法を適用することにより、穀物に応じたきめ細かい乾燥サイクルを容易にプログラムでき、従来の温風等による方法より品質の高い乾燥が実現可能となる |
![]() 機械・加工 ![]() 化学・薬品 ![]() 食品・バイオ | 食材・薬品乾燥機 ○高級乾燥食材、漢方薬等、温風乾燥すると風味や薬効が損なわれるものは天日干ししているが、本乾燥方法を適用することにより、天候に左右されず品質の高い乾燥が実現可能となる |
関連特許 | なし |
特許情報 |
・実施段階:実施あり ・技術導入時の技術指導:応相談 ・ノウハウ提供:応相談 ・供与条件:許諾のみ |
market potential | マイクロ波を用いた本減圧乾燥方法および装置は、マイクロ波を予め決められた周期でオンオフさせて、減圧ポンプで減圧されたチャンバー内の対象物の上限温度を特定温度以下に抑制しながらパルス的に急速加熱を行って乾燥を行うので、対象物を変質温度未満で短時間に乾燥できる。乾燥対象物の種類を問わず、それぞれの乾燥対象物に適合した照射制御により急速乾燥を行うことが可能であるため、例えば、貝肉、野菜、果物、肉類、魚等種々の食品類のドライフードの製造ライン等に食品品質を低下させることなく適用できる。一方、洗濯物の乾燥に適用した場合には、生地を傷めないで短時間に乾燥を行うことができる。また、部材製造分野で、木材や電子機器等の乾燥に用いた場合には、材料内部を破壊することなく急速乾燥処理を行うことができる。更に、生ゴミ等の廃棄物処理のような環境分野においても有効に適用できる。
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