対話者の音声と暗騒音を基にマスキング音を発生させることにより、第三者への会話内容の漏洩を防止


室内会話のプライバシーを保護する音マスキング装置であって、室内に固定設置するタイプとは異なり可搬形に構成できるため、導入時も工事費用を要せず、電気代等の運用費用も低減でき、またマスキング音が周囲に与える影響も最低限に抑えることができる点に特徴がある。この装置では、会話者同士の音声会話は、マイクとレシーバーを通して行うため通話の明瞭度は高い。一方、周囲に漏れている肉声から話の内容を周囲の第三者に聞かれないようにするために、周囲にマスキング音を放射する。必要最低限度の最適なマスキング音に抑えるために、マイクから検出した会話者の音声の周波数スペクトルを測定し、同時にモニターマイクから検出した周囲のマスキング音および暗騒音の周波数スペクトルの測定を行う。この測定結果を基にマスキング音および暗騒音の周波数スペクトルが音声
の周波数スペクトルと同じになるようにマスキング音の発生を帰還制御する。具体的には、雑音発生器で発生するホワイト雑音やピンク雑音等の広帯域雑音の周波数スペクトルを調整する周波数フィルターを制御してマスキング音を生成し、周辺に居る第三者の邪魔にならない最低限のマスキング音を小型のスピーカーで流すようにするものである。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
電気・電子
情報・通信
情報・通信
機械・加工
機械・加工
音声入力ワープロ
  ○パソコン等のワープロ機器に装備し、マスキング音をスピーカーから流すことにより、出版社等のオフィス環境を悪化させることなく、文章の音声入力や文章の機械読み上げチェックを推進できる
秘話式携帯電話機
  ○小型、低電力、可搬性を活かし、携帯電話機に装着することにより、小電力のマスキング音により、列車のデッキ等での秘話環境を向上できる
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:有り
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 本発明では、限られた会話者の音声のみの周波数スペクトルを基に、最低限のマスキング音をスピーカーから出すことにより、第三者に不快感を与えることなく、一つの室内でも複数組の会話者が他人に聞かれることなく話ができるため、プライバシーが重視される医療機関や各種相談窓口はもとより、守秘性を要求される金融機関や展示会場などでの商談や、集中力が要求される語学教室での個人レッスンなど広範な領域に適用して、少ないスペースで快適な環境を実現できる。さらに、本装置が1対1のような少人数の対話に好適であることから、近年の電子機器・事務機器が多機能化し、操作が複雑になったことから、音声認識技術と組み合わせることで、周囲を気にすることなく音声をベースとした機器との対話によるヘルプ機能が可能となる。例えば、多機能コピー機など高機能オフィス機器の音声操作案内や、ハンズフリーが有効なカーナビに効果的である。


タイトル
(ライセンス情報)
スピーチプライバシー保護装置

出 願 人 国立大学法人山口大学

ライセンス情報番号 L2005011374

お問い合わせ先

有限会社山口ティー・エル・オー
  中島 道寛

〒 755-8611
山口県宇部市常盤台2−16−1 山口大学地域共同研究開発センター内
TEL:0836-22-9768  FAX:0836-22-9771
E-mailAddress:
tlojim@crc.yamaguchi-u.ac.jp




出願番号 特願2005-081443

公開番号 特開2006-267174

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.3.22 公開日/平18.10.5 登録日/出願中

用語解説 
マスキング 或る音の最小可聴閾値が、同時に存在する他の音が原因となって上昇する現象をいう
暗騒音 ある場所において特定の音を対象として考える場合、対象の音がないときのその場所の騒音を暗騒音という
ホワイトノイズ 音声などに混入するノイズの中で、全ての周波数帯域においてエネルギーが均一に混入した雑音をいう
ピンク雑音 音声などに混入するノイズの中で、周波数に反比例してエネルギーが減少するような雑音をいう

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・IPC:G10K  11/178
参照可能な特許流通支援チャート
    :14年度 電気14 モバイル機器の節電技術
    :16年度 電気28 携帯機器用電源
    :17年度 電気34 音声認識技術

原稿作成 
原稿作成:山本 良一  NTT-ATIPシェアリング株式会社 PDF