ポルフィリン金属錯体からなる極性溶媒に安定なポルフィリン多量体とその製法 |
本発明は溶媒の極性等周囲の環境に依存することなく安定に存在し得るポルフィリン多量体であって、その重合度が高いものも容易に製造することができる新規なポルフィリン多量体およびその製造方法に関するものである。従来提供されている共有結合によってポルフィリン多量体を伸張する製造方法によるポルフィリン多量体は非常に多段階の合成過程を要するため、経済的に不利な方法であり、ポルフィリン単位が数百にも及ぶ多量体は合成自体が困難であった。また、本発明者等はイミダゾリルポルフィリン金属錯体を配位結合して伸張させる経済的な製造方法を開発したが、このポルフィリン多量体は極性溶媒中では配位結合が切断されてしまうため、利用できる媒体や環境が非極性のものに限られ適用範囲が狭いことが問題であった。本発明はこの解決手段として、ある一定の一般式で表される共有結合によって固定化された配位性ヘテロ芳香環置換ポルフィリン金属錯体を構成単位とする直鎖型ポルフィリン多量体を提供するものである。従来の配位結合のみで形成された二量体はメタノールを含むクロロホルム溶媒やピリジンなどの高い極性を有する溶媒中では単量体に解離するが、本発明の共有結合で固定化した二量体はそれらの溶媒でも二量体構造を保っており、飛躍的に安定性が向上しており、所期の目的を達成している。 |
ユーザー業界 | 活 用 ア イ デ ア |
電気・電子 情報・通信 有機材料 | 人工合成素子・有機太陽電池 ○光エネルギー捕集及び伝達素子として活用 |
電気・電子 情報・通信 | 発光ダイオード・半導体レーザ ○光電変換素子、光駆動電子移動素子として活用 |
電気・電子 情報・通信 機械・加工 | 光スイッチ・光コンピュータ ○フォトニクスデバイスとして活用 |
関連特許 | 国外あり |
特許情報 |
・実施段階:実施無し ・技術導入時の技術指導の有無:有り ・ノウハウ提供:有り ・ライセンス制約条件について:許諾のみ |
market potential | ポルフィリン多量体はエネルギー伝達素子としての機能を有し、分子エレクトロニクス素子としての応用が期待されている。特に本発明のポルフィリン多量体は効率のよい光エネルギー捕集及び伝達素子として働くことが予想されており、その応用として、人工光合成素子、有機太陽電池への利用が考えられる。また、ポルフィリンは光駆動電子移動素子として働くため、ポルフィリン多量体は分子サイズの光・電子素子としての応用として、光電変換デバイスとしての利用が考えられる。また、ポルフィリンは有機材料中最大の非線形定数を示し、電子励起に基づくフェムト秒の超高速応答性を特徴としており、分子端末に任意の官能基導入が可能であることから、非線形光学材料として、光スイッチ、光コンピュータ等のフォトニクスデバイスへの適用が考えられている。 |
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