低コストで光の広がりの増大を招くことなく光強度を伝搬する光導波装置


近年、光の波長(可視光:0.4〜0.8ミクロン)よりも微小な領域における光学的処理を可能にする技術として、近接場光を利用した技術が注目を浴びている。特に、ハードディスクや光ディスクなどストレージ製品は大容量化が求められている。更なる大容量化は技術的に困難を伴うため、高密度の光ディスクを実現する切り札として現在考えられているのが、近接場光という特殊な光を用いる技術であり従来の光技術の限界を突破することができる。しかし、近接場光は扱いが難しく、例えば光情報記録装置等における高速書き込みや読み出しには、光量不足となって支障を来すことになるため、近接場光の光強度を増強させる必要がある。光強度を増強するために光源を強くした場合にはコスト増大を招く一方、先端開口を大きくした場合には光の広がりが増大して解像度の低下を招く。本発明は、光導波路の光伝搬方向に交差する断面の形状を規定し、かつ、一部の偏光方向で対向する内面部分をプラズモン活性媒質により構成すること等により、光導波路を介して伝搬される光の光強度を、その光の広がりの増大を招くことなく、低コストで増強することができる光導波装置を提供するものである。本発明の光導波装置は近接場方式の課題の一つである高効率化に対して有効で、電界強度を上げると共に、位相速度を遅くし、伝搬光を集束することができる
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
情報・通信
情報・通信
光情報記録装置
  ○CD等の光記録媒体における記録ビットの微小化
電気・電子
電気・電子
投影露光装置(ステッパー)
  ○低コストで細線形状の回路パターンを形成することができる
その他
その他
走査近接場光学顕微鏡
  ○走査近接場光学顕微鏡の光プローブ

関連特許 国内外あり
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:有り
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 近接場光は伝搬光より小さい数十nm(ナノメートル)での応用が可能であり、より微細化可能な光技術として注目されている。近接場光技術の利用範囲としては効率良く小さいモノが加工できるため、高密度記録装置、顕微鏡、半導体など微細加工の製造や、光による薄膜形成、極微細な輸送・操作による製造など、バイオ・計測・電子分野で応用が考えられており、特に高密度記録装置では近い将来での実現が期待されている。DVDの場合、原理的には、現在の容量の2〜300倍程度の高密度化が可能になるといわれている。近接場光技術の波及効果の視点から見てみると、2005年の光エレクトロニクス産業の国内需要額は7.8兆円であるが、2020年には近接場光のみで26兆円規模になるといわれている。


タイトル
(ライセンス情報)
光導波装置

特許権者 国立大学法人岐阜大学

ライセンス情報番号 L2005009443

お問い合わせ先

国立大学法人岐阜大学産官学融合センター
知的財産マネジメントオフィス
 知的財産マネージャー 八代 正男

〒 501-1193
岐阜県岐阜市柳戸1−1 岐阜大学産官学融合センター
TEL:058-293-3181  FAX:058-293-2032
E-mailAddress: 




出願番号 特願2003-018997

公開番号 特開2004-109965

特許番号 特許3668779

権 利 存 続 期 間 16年4ヶ月(平35.1.28満了)

権利化情報  出願日/平15.1.28 公開日/平16.4.8 登録日/平17.4.22

用語解説 
近接場光 光の波長よりも短い距離の領域にのみ届く光
プラズモン活性媒質 銀(Ag)

参考情報 
 
参照可能な特許流通支援チャート
    :17年度 一般19 プローブ顕微鏡技術

原稿作成 
石橋 英雄  株式会社ベンチャーラボ PDF