広い不純物濃度範囲の無転位シリコン単結晶をネッキング工程を用いずに製造する


現在、LSI製造に用いられるSi単結晶は、引き上げ(CZ)法、または浮遊帯(FZ)法によって製造されており、特にCZ法によってSi単結晶の大部分が製造されている。両方の単結晶製造方法において、無転位単結晶を育成するために、ネッキング法が用いられているが、製造工程に常に不安が残っていた。また、最近、数100kg以上の大形単結晶の育成が必要になり、細いネック部で成長結晶を支えることが出来なくなるという大きな問題点も明らかになってきている。本発明は、広い不純物濃度範囲の無転位シリコン単結晶をネッキング工程を用いずに製造することを可能にするシリコン種子結晶および無転位シリコン単結晶の製造方法を提供する。すなわち、本発明は、無転位シリコン単結晶の成長に用いるシリコン種子結晶であって、少なくとも1種の、シリコンよりも結合半径が小さい不純物元素と、少なくとも1種の、シリコンよりも結合半径が大きい不純物元素とを含むことを特徴とするシリコン種子結晶である。また、本発明は、シリコンよりも結合半径が小さい不純物元素と、シリコンよりも結合半径が大きい不純物元素とを含む無転位単結晶のシリコン種子結晶を用意する工程と、前記種子結晶をシリコン融液に接触させて、シリコン単結晶を成長させる工程とを含むことを特徴とする無転位シリコン単結晶の製造方法である。
ユーザー業界 概  要

電気・電子
電気・電子
情報・通信
情報・通信
無機材料
無機材料
LSI製造
  ○大規模集積回路(LSI)製造に用 いられる半導体シリコン(Si)単 結晶の製造
  ○ノンドープ無転位Si単結晶を成長 させることができるため、LSI製 造プロセスでの用途が非常に広い

化学・薬品
化学・薬品
無機材料
無機材料
無転位Si単結晶
  ○種子付け後の細くて長いネック部 形成工程が不必要になる
  ○ネック部の機械的強度が増大し、 大直径、大重量の結晶製造が可能 になる
  ○結晶製造の効率が上がり、結晶部 分の長い結晶製造が可能になる
  ○無転位結晶製造を簡単に行える

関連特許 あり
事業実績条件 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件:譲渡または許諾
参考情報 本発明のSi種子結晶を使用すれば、広い不純物濃度範囲の無転位Si単結晶をネッキング工程を用いずに製造することが可能になる。従来行っていた、種子付け後の細くて長いネック部形成(ネッキング)工程が不必要になることで、以下の効果が得られる。ネック部の機械的強度が増大し、大直径、大重量の結晶製造が可能になる。細くて長いネック部を成長させる時間が不必要になるため結晶製造の効率が上がり、またネック部が無くなった分を有効利用できるため、結晶部分の長い結晶製造が可能になる。ネッキング操作において、無転位化が達成されたか否かの判定を必要としないため、無転位結晶製造を専門家でなくても簡単に行えるようになる。また本発明においては、ノンドープ無転位Si単結晶を成長させることができるため、LSI製造プロセスでの用途が非常に広い。



タイトル
(ライセンス情報)
無転位シリコン単結晶の製造方法

特許権者   国立大学法人信州大学

ライセンス情報番号 L2005003440

お問い合わせ先

株式会社信州TLO
技術移転・ライセンス部 
山岸 徹雄
〒386-8567
長野県上田市常田3−15−1 信州大学繊維学部内AREC4階
TEL:0268-25-5181 FAX:0268-25-5188
E-mail:s-tlo@rose.ocn.ne.jp



出願番号 特願2000-339280

公開番号 特開2002-145694

特許番号 特許3536087

権 利 存 続 期 間 15年5ヶ月(平32.11.7満了)

権利化情報 
出願日/平12.11.7  公開日/平14.5.22  登録日/平16.3.26 

用語解説  
単結晶 ・試料全体が一つの結晶、すなわち試料全体を通じて一定の結晶軸に沿うように生成している結晶である

参考情報  
 
 

原稿作成  
山本 信夫  株式会社テクノソフト PDF