熱交換器内で蓄熱材にマイナス電圧を印加、壁面氷結や管内閉塞を発生させにくいダイナミック型の氷蓄熱装置


近年のビル空調システムなどにおいて氷蓄熱が普及している。ダイナミック型の氷蓄熱装置は、蓄熱槽の外部に設置された冷却器に槽内水を導いて過冷却状態にするとともに、槽内水を蓄熱槽に還流させる際に過冷却状態を解除させることで生成される氷を貯留するものであることから、製氷効率の低下を伴うことなく連続的な製氷が可能であり、また氷粒子が微細であるために放熱効率に優れ、さらに、水とともに配管内を冷熱需要地まで搬送することが可能である利点を有しており、近年、スタティック型に代わって普及が進んでいる。しかし、例えば、ダイナミック型方式の一つである過冷却方式は冷却器の冷却コイル内に不安定な過冷却状態の槽内水を循環させるものであるため、冷却条件の変動や管内流の乱れなどにより過冷却状態が解除されて冷却コイルの管内壁に氷結を生じ、流動抵抗の増大や管内閉塞などの不具合を生じ易い問題があった。本発明は蓄熱材として使用する水−油(シリコンオイルなど)混合液が配管系を循環する間に、また蓄熱槽内の蓄熱材を攪拌することにより蓄熱材中の油をマイナスに帯電させることで、蓄熱材と冷却コイルの間に印加する電圧により冷却コイル内壁近傍の油濃度を上昇させ、これにより、冷却コイル内壁における着氷や管内閉塞を防止し、あるいは、発生した着氷を除去することを可能としたものである。
ユーザー業界 概  要

土木・建築
土木・建築
地域冷暖房
  ○大規模又は中規模エリアの分散型 冷暖房システムに活用

化学・薬品
化学・薬品
流体プラント
  ○プラント配管内の媒体に加電圧の 方式を活用

機械・加工
機械・加工
寒冷地の建機
  ○寒冷地に強い油圧機構に活用

関連特許 なし
事業実績条件 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件:譲渡または許諾
参考情報 夏期の電力負荷の平準化対策として、夜間電力を用いて製氷することにより冷熱を氷として貯蔵し、この冷熱を昼間の冷房に利用する氷蓄熱が、近年のビル空調システムなどにおいて普及している。この氷蓄熱の方式としては、蓄熱槽内に製氷コイルを設置し、槽内水を直接氷結させるスタティック方式が従来一般的であったが、このダイナミック型の氷蓄熱装置は、製氷効率の低下を伴うことなく連続製氷が可能であり、また、生成される氷は放熱効率に優れ、さらに媒体を配管内を冷熱需要地まで搬送するシステム建設も可能などの利点を有しており、今後京都議定書の批准でより地球温暖化対策が地域冷暖房やコージェネ、またビルや事業所また家庭などに要請される中で、省エネルギー対策に加え夜間電力の活用によるコストダウンの効果がある。このダイナミック方式の氷蓄熱装置やシステムの市場ボリュームはグローバル的にも大きなものがある。



タイトル
(ライセンス情報)
氷蓄熱装置

出願人    タマティーエルオー株式会社

ライセンス情報番号 L2005002409

お問い合わせ先

タマティーエルオー株式会社
特許化支援事業部長 中江 博之
〒192-0083
東京都八王子市旭町9−1
TEL:0426-31-1325 FAX:0426-31-1124
E-mail:nakae@tamaweb.gr.jp



出願番号 特願2004-138134

公開番号 特開2004-294055

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報 
出願日/平16.5.7  公開日/平16.10.21  登録日/出願中 

用語解説  
氷蓄熱 ・夜間の割安な電気料金で氷を作り、その氷を昼間に有効利用し電気料金を削減する方式

参考情報  
 
 

原稿作成  
鈴木 忠夫  日本アイアール株式会社 PDF