牡蛎等の貝殻に酸性液を作用させ、含有する凝集機能成分を溶出させることで、より安価な無機凝集剤を得る


本発明は貝殻を原料として得られる高性能で安価な無機凝集剤に関する。従来廃棄されていた牡蛎等の貝殻を活用することにある。本発明の無機凝集剤は、液体中に分散する微粒子が会合して、より大きな会合体を造る凝集作用を助長させる無機凝集剤であって、この無機凝集剤は、牡蠣等の貝殻を原料としてこの原料に酸性液を作用させ、原料に含有される凝集機能成分を溶出させたものである。具体的には、貝殻を希硫酸等の酸性溶液に浸漬、溶解した液体を凝集剤原液として用いる事で、従来の無機及び有機系凝集剤に比して安価とした事である。さらに、有機系凝集剤に比して不可視物質をも容易に除去することができ、性能的にも優れた特性を有している。さらには、濃度を管理すれば、繰り返し使用することができる。考えられる効果は、石灰などに比して、Alなどの3価の不純物などが純物質よりも優れた効果を引き出すものとして機能している可能性が指摘できる。実施例としては、乳牛、豚、等の屎尿、製菓、弁当などの食品工場の排水、等の例があげられている。効果としては、凝集性、吸着性など有機高分子凝集剤と同等の機能、前段処理の煩雑な操作や技術の熟練等が不要、繰り返し使用が可能、取り残し易かった溶解性物質を分離除去、製品コストが有機高分子凝集剤の安価なものに比べても数10分の1以下である。
ユーザー業界 概  要

繊維・紙
繊維・紙
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
凝集剤
  ○屎尿などの下水関連施設に対し て、排水処理時に用いる
  ○海外の製紙業などにおいて、高価 な高分子系ではなく、地元の特産 を生かした凝集剤として活用でき る
  ○例えば海産物の食品加工業などの 廃液処理に本発明を用いれば、地 元の貝殻などを有効活用でき、コ ストも削減できる

関連特許 あり
事業実績条件 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件:許諾のみ
参考情報 通常凝集剤として販売されるのは、有機高分子系のものが主体で、500〜1,500円/kg程度で販売されている。これとは別に、消石灰等が中和及び凝集の目的で使用されており、ロットや純度にもよるが、せいぜい70〜80円/kgで市場から調達できる。また、有機系のものに比して、コストが1/10程度に削減できる見込みがあり、排水の状況などによっても大きく作用されるので、どういった状況で摘要されるのか、今後は、オペレーション上の使用条件や効果の数値データ等を整備してくことを前提に、「環境に配慮した凝集剤」として、新規マーケットを開拓することができる。製紙工場、食品工場や酪農や養豚などの排水工程のあるプラントなどで活用できる。



タイトル
(ライセンス情報)
無機凝集材

出願人    鈴木 勝義、田辺 賢

ライセンス情報番号 L2004008729

お問い合わせ先

水研化学工業株式会社
代表取締役 鈴木 勝義
〒410-0817
静岡県沼津市本郷町34番7号
TEL:055-931-4729 FAX:055-931-4690
E-mail:k.s.act.suiken@smile.ocn.ne.jp


出願番号 特願2002-157928

公開番号 特開2003-340207

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報 
出願日/平14.5.30  公開日/平15.12.2  登録日/出願中 

用語解説  
凝集材 ・汚水中に懸濁している微粒子をまとめて大きな固まりにして沈降させる薬剤で、有機系と無機系とがある

参考情報  
特許流通アドバイザーによる推薦
 

原稿作成  
須賀 雅信  日本アイアール株式会社 PDF