広範囲の菌に有効な耐性菌のできにくい新規なペプチド系抗生物質。癌、神経変性障害、免疫疾患にも有効


本発明の抗菌性ペプチドは、正常な動物細胞膜に存在しないが、微生物細胞膜に特異的に存在する酸性リン脂質などを標的としてペプチドライブラリーからスクリーニングされ、選ばれたいくつかのペプチドのグループである。本発明の抗菌性ペプチドは、微生物細胞膜に作用して細胞膜に穴をあける能力(ポア形成能)により抗菌性を発揮する。この作用機序により、抗菌作用のスペクトルは広く、かつ耐性菌の発生の可能性が低いと考えられる。その抗菌活性は、人及び動物の病原性微生物、食品または工業製品の腐敗の原因となる微生物、植物病原菌などに対して広範囲に示される。また、本発明の抗菌性ペプチドは、細胞膜に酸性リン脂質を多く発現する癌細胞及びアポトーシス細胞にも同様の機序で作用し、抗癌剤及びアポトーシスに関連するAIDS、神経変性障害、免疫疾患などの治療剤として有効である。さらに、本発明の抗菌性ペプチドは、細胞膜上の酸性リン脂質を標的とすることより、酸性リン脂質を発現しない正常な動物細胞膜への作用は少なく、薬剤として用いる場合には選択性の高い薬剤となることが期待できる。
ユーザー業界 概  要

化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
耐性菌の出にくいペプチド系抗生物質の開発
  ○MRSAなど耐性菌に対する抗生物 資を医薬品として開発する

生活・文化
生活・文化
病害抵抗性植物、動物、ペットの育種
  ○ペプチドをコードするDNAで、 栽培植物、家畜、ペットなどを形 質転換し、病害に抵抗性の品種を 育種する

化学・薬品
化学・薬品
有機材料
有機材料
食品・バイオ
食品・バイオ
酸性リン脂質を標的とするDDSシステム
  ○酸性リン脂質を細胞膜に発現する 癌、神経変性障害、免疫疾患に関 係する細胞へのDDSシステムの 開発

化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
癌、神経変性障害、免疫疾患に対する治療薬の開発
  ○癌、神経変性障害、免疫疾患を対 象とした医薬品を開発する

関連特許 あり
事業実績条件 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:有り
・ライセンス制約条件:許諾のみ
参考情報 @抗菌性ペプチドは、微生物細胞膜、癌細胞、アポトーシス細胞などの細胞膜に酸性リン脂質を発現する細胞を特異的標的とするドラッグデリバリーシステム(DDS)の標的認識部分として利用できる。近年、副作用の低減、効果の持続性、投与量の削減(効果の増強)、新たな投与法などを目的にDDSによる薬剤の改良、開発が盛んであり、DDS市場は大きくなっている。A抗菌性ペプチドをコードする遺伝子で、栽培用植物、家畜ペットなどの動物を形質転換することにより、病原性微生物に抵抗性の品種の育種が可能となる。特に病害抵抗性の植物育種への試みは多くあるが、ウイルス病の一部を除いて成功例はない。



タイトル
(ライセンス情報)
微生物細胞膜に特異的に作用するが、正常な動物細胞膜に作用しないペプチドおよびそのスクリーニング方法

出願人    独立行政法人食品総合研究所

ライセンス情報番号 L2004008148

お問い合わせ先

社団法人農林水産技術情報協会
特許情報部 
技術主幹 高野 博幸
〒103-0026
東京都中央区日本橋兜町15−6 製粉会館6F
TEL:03-3667-8931 FAX:03-3667-8933
E-mail:tokkyo@afftis.or.jp



出願番号 特願2003-303747

公開番号 特開2004-248666

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報 
出願日/平15.8.27  公開日/平16.9.9  登録日/出願中 

用語解説  
ライブラリー ・複数の配列を含む集団
ペプチド ・アミノ酸二個以上が結合したもの。蛋白質より分子量が小さいものをいう場合が多い
アポトーシス ・個体の生命を維持するための制御された細胞死。細胞膜の変化、核の凝集や断片化などの形態的特徴が現れる
ドラッグデリバリーシステム(DDS) ・薬物が生体内で目的の機能を発揮できるようにするためにとられるシステム。ターゲッティング、徐放化など
アナログ ・類似体

参考情報  
 
参照可能な特許流通支援チャート
  :16年度 化学28 ドラッグデリバリーシステム

原稿作成  
高見 正明  株式会社テクノソフト PDF