キャピラリ電気泳動装置/質量分析装置を用いて陰イオン性化合物の安定した測定を可能とする発明に関する


従来、(1)陰イオン性化合物は無数に存在するため、これらの測定には、非常に多くの分析装置や分析条件が必要であり、短時間に全てを測定することは困難であった。又、(2)選択性が殆どなく、陰イオンの定性は、保持時間や移動時間で行っているため、本当にその物質であるかの定性能力が乏しかった。又、(3)近年のキャピラリ電気泳動/質量分析装置を用いる方法も、アミノ酸を陽イオンとして測定する方法であり、有機酸や糖まで含めた陰イオン性化合物を一斉分析するのは不可能であった。本特許はキャピラリ電気泳動と質量分析を組合せて陰イオン性化合物を分離分析する際に以下の発明を特徴とする。【1】内表面が予め陽イオン性にコーティングされたキャピラリを用いて、電気浸透流を反転することを特徴とする陰イオン性化合物の分離分析方法。【2】キャピラリの内表面が陽イオン性のポリマーでコーティングされていることを特徴とする前記【1】の分離分析方法。【3】泳動緩衝液として、酢酸アンモニウム、トリエチルアミン、エタノールアミン、又は、炭酸アンモニウムを用いることを特徴とする前記【1】の分離分析方法。【4】前記【1】・【2】の特徴を用いて、電気浸透流を反転するようにされたキャピラリ電気泳動装置と該装置により分離された試料を分析するための質量分析装置を特徴とする陰イオン性化合物の分離分析装置。
ユーザー業界 概  要

化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
その他
その他
即時測定・解析
  ○即時シミュレーション解析

食品・バイオ
食品・バイオ
代謝物の迅速解析
  ○バクテリアやイネの代謝物解析

化学・薬品
化学・薬品
ヒト細胞応用への迅速解析
  ○創薬や診断

その他
その他
ヒト細胞応用への迅速解析
  ○診断、オーダーメイド医療

関連特許 なし
事業実績条件 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導の有無:無し
・ノウハウ提供:無し
・ライセンス制約条件:許諾のみ
参考情報 本発明によって、(1)泳動緩衝液にアルキルアミンを加えなくても、電流が流れなくなることがなく、陰イオン性化合物を安定して測定することが可能になる。特に、これまでキャピラリ電気泳動/質量分析装置で安定した測定が困難であった有機酸を、100μg/1レベルで測定することが可能となる。(2)キャピラリ電気泳動装置で試料を完全分離する必要がないため、分析時間の短縮が可能となる。(3)pHが高く、且つ揮発性の高い泳動緩衝液を用いることによって、多くの陰イオン性化合物を一斉に測定することが可能になる。特に、pH12のトリエチルアミンを泳動緩衝液に用いた場合には、有機酸、アミノ酸、糖などの全ての陰イオン性化合物のキャピラリ電気泳動/質量分析装置による測定が可能になる。



タイトル
(ライセンス情報)
CE/MSを用いた分析法

特許権者   学校法人慶應義塾

ライセンス情報番号 L2003004481

お問い合わせ先

慶應義塾大学知的資産センター
リエゾンマネージャー 伏見 知行
〒108-0073
東京都港区三田2−11−15 三田川崎ビル3F
TEL:03-5427-1678 FAX:03-5440-0558
E-mail:tomoyuki.fushimi@adst.keio.ac.jp



出願番号 特願2001-224341

公開番号 特開2003-035698

特許番号 特許3341765

権 利 存 続 期 間 17年1ヶ月(平33.7.25満了)

権利化情報 
出願日/平13.7.25  公開日/平15.2.7  登録日/平14.8.23 

用語解説  
電気泳動 ・伝導性の液体の中に存在するイオンが、電場を掛けられた場合に移動する現象
キャピラリー ・以前は“毛細管”あるいは“毛管”と呼ぶことが多かった。現在は“キャピラリー”を用いている
キャピラリー電気泳動 ・円筒型キャピラリーと、その系統を引く真っ直ぐな単純明解なキャピラリーを用いる方式の電気泳動
質量分析装置 ・試料をガス化・イオン化のシステムにつなぎ、試料を分析し、試料構成要素の同定を行う

参考情報  
参照可能な特許流通支援チャート
  :14年度 化学9 バイオチップと遺伝子増幅技術
  :15年度 一般11 マイナスイオン発生機
  :15年度 一般12 質量分析

原稿作成  
吉村 知一  株式会社ベンチャーラボ PDF