微粉体を泡状流により確実に回収し、分離された回収液も再利用


機械加工等の工程で発生する微粉体を回収する装置として、これまで幾つか提案されている。例えば、液体と不活性ガスの泡塊による回収や噴射ノズルからの気泡による回収等がある。しかし、これらの回収方法では、飛散する微粉体の補足・回収が容易でなく、回収された液体の再利用が不可能であったり、あるいは回収効率が悪い等の問題点があった。本発明は、液体に気体を注入して泡を発生させる泡発生部と、この泡を吐出ノズルから吐出させると共に、吸引ノズルで吸引して空間に泡状流を形成する微粉体回収部を備える。微粉体はこの泡状流によって補足され、泡と共に吸引ノズルに吸引される。吸引された泡は、まずサイクロン型分離器によって、泡を吸引する際に混入した空気が分離され、排気口から排出される。更に、この泡は、フィルタを有する異物分離器により、微粉体が分離される。残された泡は、消泡部により消泡され、再度泡発生部に還流される。この様に、本発明では微粉体が様々な方向に飛散する場合でも、泡状流を任意の方向に形成することができるため、微粉体を確実に補足できる。また、分離された液体の回収効率を向上させると共に、装置の小型化も図ることができる。

ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
機械・加工
機械・加工
金属材料
金属材料
無機材料
無機材料
  
機械加工の切削粉、研磨粉の回収
  ○金属、石材、貴金属等の機械加工における切削粉、研磨粉の回収に適用し、確実な回収と液体の再利用を実現
  
電気・電子
電気・電子
機械・加工
機械・加工
部品洗浄、機械装置の内部洗浄
  ○機械部品、機械装置内部の脱脂洗浄および電子部品、光学部品の精密洗浄に適用し、有害洗浄液を外部に漏らさず、確実に回収
  
機械・加工
機械・加工
繊維・紙
繊維・紙
素材洗浄
  ○線材、繊維等の素材の製造過程における洗浄に適用し、素材に付着した膜や塵埃等の確実な洗浄と回収
  
土木・建築
土木・建築
構造物の解体・洗浄
  ○有害物質を含む建築構造物等の解体・洗浄に適用し、有害物質を外部に漏らさず、確実に回収
機械・加工
機械・加工
輸送
輸送
排気微粒子の除去
  ○工場煙突や車両等の排気ガス除去に適用し、有害物質を外部に排気せず、確実に回収し、環境負荷を低減
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・供与条件:許諾のみ
market potential 本発明は、微粉体を確実に回収し、分離された回収液を効率よく再利用することができ、装置の小型化、稼動コストの削減が可能となる。また、人体に有毒な微粉体を確実に回収でき、回収液も外部に廃棄することがなく、環境性にも非常に優れている。このため、その適用分野として、様々な形態が想定される。例えば、金属加工の切削粉、石材加工の切削粉・研摩粉、貴金属の切削粉・研摩粉等の回収に適用可能である。また、機械部品の脱脂洗浄や電子部品、光学部品の精密洗浄、食品機械等の使用後の内部洗浄に適用できる。更に、建築等の有害物質を含む構造物の解体・洗浄にも適用できる。また、工場や車両の排気微粒子にも適用でき、環境負荷を低減できる。この様に、微粉体の回収や洗浄等の分野において、多様な利用形態が期待でき、その市場も広範囲で大きい。


タイトル
(ライセンス情報)
微粉体回収装置

出願人 地方独立行政法人山口県産業技術センター

ライセンス情報番号 L2010005584

お問い合わせ先

地方独立行政法人山口県産業技術センター
経営企画グループ
   

〒 755-0195
山口県宇部市あすとぴあ4−1−1
TEL:0836-53-5051  FAX:0836-53-5070
E-mailAddress:
   info@iti-yamaguchi.or.jp




出願番号 特願2007-095602

公開番号 特開2008-254075

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平19.3.30 公開日/平20.10.23 登録日/出願中

用語解説 
サイクロン型分離器 遠心力を利用して、気体や液体中に混じった粉末状の固体(微粉体)を分離するための装置
ガス混合器 2種類以上のガスを均一に混ぜ合わせる装置のことで、ここでは酸素と窒素を混ぜ合わせ、酸素濃度を調整
不活性ガス 化学反応を起こしにくい気体をいい、ここではガス混合器で空気と混合され、液体に注入して泡状流とされる
多孔質体 内部に多数の小気孔を有する部材のことで、ここではガス混合器から送られたガスをこの部材を通して泡を発生

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
 :山口県 尾山 昇
・IPC:B23Q 11/00
参照可能な特許流通支援チャート
    :13年度 一般3 半導体洗浄と環境適応技術
    :16年度 機械13 排気微粒子除去技術
    :16年度 機械14 エコマシニング

原稿作成 
原稿作成:安田 圭一  NTT-AT アイピーエス株式会社 PDF