蛍光タンパク質からの蛍光量を高い再現性で定量的に検出できる光導波路デバイスと蛍光分析装置


蛍光タンパク質は、励起波長の光を照射することにより蛍光を発するタンパク質である。蛍光タンパク質からの蛍光量を定量的に評価する従来方法として顕微鏡を用いた目視による方法があるが再現性が悪い。蛍光タンパク質からの蛍光量の再現性の高い定量的評価を期待できる方法として、光導波路や光ファイバを利用することが検討されているが、生体由来の蛍光タンパク質を光導波路内に固定化するには技術的な困難を伴い、まだ実現されていなかった。本発明は、光導波路デバイスとしてGFP等の蛍光タンパク質を内部に固定したゾルゲルシリカからなるコアを有する光導波路を備え、この光導波路デバイスのコア入射側端面より光導波路内に蛍光タンパク質の励起光を導入するための励起光源と、光導波路デバイスのコア出射側端面からの蛍光タンパク質の蛍光を検出する光検出器とを備えて蛍光分析装置としたものである。本発明は、蛍光タンパク質からの蛍光量を高い再現性で定量的に検出することができ、特に、外的な要因による微小な蛍光量変化を高い再現性で定量的に検出することができる特徴がある。更に、光導波路デバイスの光導波路を検出対象の化学物質に接触させることで、固体、液体、または気体の化学物質をゾルゲルシリカの光導波路内に浸透させることができ、それによる蛍光タンパク質からの蛍光量の変化を観測することで、リン化合物等の化学物質の検出も可能となる。

ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
電気・電子
情報・通信
情報・通信
化学・薬品
化学・薬品
蛍光分析顕微鏡
  ○励起光の進行路をゲルシリカからなる導波路の検出対象物質との接触領域に垂直とし、蛍光分布を観察する
高精度蛍光分析装置
  ○光導波路を同一入力の2列の集積とし、片方を被検査対象なしの基準に用いて高精度化した蛍光分析装置
  
電気・電子
電気・電子
情報・通信
情報・通信
機械・加工
機械・加工
遠隔操作蛍光分析装置
  ○本発明装置に遠隔操作機構を加えて、光導波路出力を光伝送路に入力すれば遠隔操作可能な蛍光分析装置とできる
  
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・供与条件:許諾のみ
market potential 近年、下村脩氏がノーベル化学賞を受賞したこともあって緑色蛍光タンパク質(GFP)とその生体検査への応用が世間の注目を浴びている。本発明は、蛍光タンパク質の一般的な生体検査応用とは別の面からの応用例であり、ゾルゲルシリカからなる光導波路デバイスと組み合わせて蛍光量を高い再現性で定量的に検出することができる蛍光分析装置を構成したものである。医学の進歩と共に、幹細胞・未分化細胞利用技術や自家細胞再生治療技術等の生体細胞を操作する研究が進展しており、細胞の生体検査の必要性は増大し、蛍光タンパク質等の蛍光量検査を必要とする場面は拡大している情勢にあり、本発明が活躍できる分野は広く、今後も拡大し続けると想定される。本発明分野の市場としては、広く医療用計測器の市場として約2,245億円(2008年、経済産業省)の市場規模があり、この0.1%〜1%を想定すると約2億〜20億円の市場が想定できる。


タイトル
(ライセンス情報)
光導波路デバイスと蛍光分析装置並びにそれを用いた化学物質の検出方法

出願人 国立大学法人福井大学

ライセンス情報番号 L2009006927

お問い合わせ先

国立大学法人福井大学
産学官連携本部 知的財産部
専門職員
高岡 勉
   

〒 910-8507
福井県福井市文京3−9−1
TEL:0776-27-9725  FAX:0776-27-9727
E-mailAddress:
   ttakaoka@u-fukui.ac.jp




出願番号 特願2008-031117

公開番号 特開2009-192274

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平20.2.12 公開日/平21.8.27 登録日/出願中

用語解説 
ゾルゲルシリカ ゾルゲル法で、溶液から化学反応を経てゲル(ゼリー状の固体)を作製し、溶媒を取り除いて緻密化したガラス
光導波路デバイス 光導波路は光学的な特性を持つ物質で構成した光を伝送するシート状の伝送路のことで、それを用いたデバイス
蛍光タンパク質 外部光源等により蛍光を発するタンパク質のことで、緑色蛍光タンパク質等の多種あり、生体検査に利用される

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
 :福井県 河村 光
・IPC:G01N 21/64
参照可能な特許流通支援チャート
    :15年度 電気20 遠隔医療・遠隔介護システム
    :16年度 化学22 幹細胞・未分化細胞利用技術
    :17年度 化学31 自家細胞再生治療技術
    :17年度 一般19 プローブ顕微鏡技術

原稿作成 
原稿作成:安田 圭一  NTT-AT アイピーエス株式会社 PDF