メタリック調無塗装成形技術


プラスチックの射出成型金型で、材料を注入するゲートの形式は幾つかの種類があり、それぞれの特性があって目的により使い分けている。この中でサイドゲートは、標準ゲートともいわれる一般的な形状である。樹脂量の少ない小型部品では、自動的にゲートが切り落とされるサブマリンゲートが使われるが光輝材料を混ぜた樹脂の成型ではゲートせん断時のシルバーストリークやジェッティングが出易いので、あえてサイドゲートを使い、丁寧にゲートを切り落とすことが行なわれる。本発明は、このサイドゲートの欠点ともいうべき、光輝材料を加えた樹脂を使ったときに目立ち易い、ゲート周辺に発生するウェルドラインを防止する手段である。従来は加える光輝材料そのものに対策を行なうことが試みられているが、本発明ではゲートの形状によってウェルドラインを出にくくする手段が提供されている。具体的には、ゲートのパーティングラインと対抗する2つの角に適度なRをつけたことであり、ここが本発明のポイントである。本技術は、本発明に加えて、樹脂材料、部品形状と金型構造、成形条件等の幅広い分野における特許出願とノウハウによって構成され、メタリック調の射出成形部品の無塗装化を実現したものである。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
機械・加工
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生活・文化
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ウェルドラインの出にくい成型金型
  ○本発明のRつきサイドゲートをもった金型を作り提供する
  
機械・加工
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有機材料
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美しい外観の樹脂成型品
  ○本発明の金型を使い、ウェルドラインのない美しい樹脂部品を成型する
  
機械・加工
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生活・文化
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美しい外観の光輝材入り樹脂成型品
  ○本発明の金型を使い、金属部品を光輝材入り樹脂成型品に変える
  

関連特許 国外あり
特許情報 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導:応相談
・ノウハウ提供:有り
・供与条件:許諾のみ
market potential 本発明は、従来は塗装を施していた樹脂部品の意匠面の無塗装化を実現したものであるため、塗装時の質感を維持したままコストダウンとVOC(揮発性有機化合物)削減を同時に達成したものである。スズキ(株)においては、本発明を自社ブランド自家用車の内装部品への適用拡大を推進してきたが、本発明が輸送機器以外の家電、OA機器、住設用品、玩具、他の幅広い商品分野への適用が可能との判断から、樹脂金型製造および成形メーカーに対するライセンス供与に踏み切った。本発明の普及によって、国内における樹脂成形技術力の向上とVOC低減およびリサイクル性の向上による省エネルギー化の積極的な推進と環境保全への貢献に寄与したいと考えている。


タイトル
(ライセンス情報)
光輝材料でもウエルドラインのできないサイドゲートの形状

特許権者 スズキ株式会社

ライセンス情報番号 L2009004026

お問い合わせ先

スズキ株式会社
技術管理部 特許課
嶌崎 陽一  

〒 432-8611
静岡県浜松市南区高塚町300
TEL:053-440-2452  FAX:053-440-2457
E-mailAddress:
     simay@hhq.suzuki.co.jp





出願番号 特願2007-222310

公開番号 特開2009-051168

特許番号 特許4120701

権 利 存 続 期 間 17年11ヶ月(平39.8.29)

権利化情報  出願日/平19.8.29 公開日/平21.3.12 登録日/平20.5.9

用語解説 
サイドゲート 樹脂成型金型のゲートの1つで、ピンゲート、ダイレクトゲートと共に、もっとも普通に使われる形式
シルバーストリーク 銀線、銀条。ゲートから放射線状に銀白色の細い線が火花状に出る状態
ジェッティング 成型品の表面に現われる蛇行状の模様

参考情報 

・特許流通アドバイザーによる推薦
・IPC:B29C 45/26

原稿作成 
原稿作成:吉田 邦雄  システム・インテグレーション株式会社 PDF