複数の増感色素を効果的に用いて入射光を効率よく吸収する光電変換効率の高い色素増感太陽電池 |
本発明による色素増感太陽電池は、光の入射方向に対して前側(入射側)に第1のアノードを配置すると共に、入射方向に対して後側(背面側)に第2のアノードを配置し、この2つのアノードの間にカソードを配置して、それら3つの電極の間に電解質を充填して構成される。第1のアノードは、透明基板と、この基板のセル内側(光の入射方向に対して背面側)の表面に透明導電層を形成し、更に、透明導電層上に第1色素層を形成して構成される。この第1色素層は、酸化物半導体(例えば酸化チタン)からなる多孔質層と、この多孔質層に保持された第1増感色素から形成される。また、第2アノードは、透明基板と、この基板のセル内側(光の入射方向に対して前面側)の表面に透明導電層を形成し、この透明導電層上に第2色素層を形成して構成される。この第2色素層は、酸化物半導体(例えば酸化チタン)から構成された多孔質層と、この多孔質層に保持された第2増感色素から形成される。2つのアノードは類似の構成をもつが、第1増感色素(例えばN3色素)と第2増感色素(ブラックダイ)とは互いに異なる色素を用いる。ここで、カソードには、導電性金属から構成された網目状の部材を用いることにより、第1のアノードを透過した光を第2のアノードに効率よく導入し、入射光から更にエネルギーを取り出すことが可能となる。 |
ユーザー業界 | 活 用 ア イ デ ア |
機械・加工 食品・バイオ 生活・文化 | 散水システム ○分散して配備できる利点を活かして太陽電池の出力を蓄電し、スケジュールされた時間に農場等に設置された散水栓を開き、あるいは散水ポンプを起動して自動的に散水を行う農作業自動化システム |
電気・電子 機械・加工 土木・建築 | 防災システム ○配電が困難な場所での傾斜面の地崩れや崩落、雪崩などの危険地帯、河川の増水監視を必要とする地域等において、太陽電池を電源とする各種災害予知センサと無線通信手段を多数無人配備して構成される予知精度の高い防災システム |
関連特許 | なし |
特許情報 |
・実施段階:実施無し ・技術導入時の技術指導の有無:有り ・ノウハウ提供:有り ・ライセンス制約条件について:許諾のみ |
market potential | 色素増感太陽電池は、他の太陽電池(例えば、シリコン系太陽電池)に比べて原材料の資源的制約が少なく安価な素材を利用でき、製造プロセスが容易なため製造コストの低減が可能であり、また理論的な光電変換効率ではシリコン系太陽電池を上回る等の特長をもつ。従って、建物に設置して電力を賄える大規模な発電に好適であり、また車両等の移動体の動力源の一部としても有効である。また、分散配置して設置できる電源として、農地や道路、河川等に関わる広域的な電源網として効果的に活用できる。更に、色素増感太陽電池は、電極基板材料や色素を変えることによって形状や色彩に多様性をもたせることが容易であり、例えば、基板としてガラス以外のフレキシブルな素材を用いれば電池を搭載する機器の形状に関わらず適応可能な電源として、電源配線の煩わしさを解消して、屋内外の電気製品に幅広く適用できる。 |
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