廃プラスチックを接触分解方法・装置で石油資源とする技術


ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、などと若干のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)等が混入している廃プラスチックを、予め350〜500℃に加熱された反応器内のFCC触媒中に投入し接触分解する。分解し難い直鎖分子のポリエチレンであっても低温で分解されるため、ワックス分がほとんど生成せず、低流動点の油分を得ることができる。また炭化され難いため分解残渣がほとんど生じない。PVC等の樹脂が数%程度混入しても、独立した脱塩素工程を必要とせず、生成する塩化水素は触媒に混合したCa化合物と反応して塩化カルシウムが生成されるため生成油中の残留塩素は100ppm程度にまで除去される。また、塩化水素による装置の腐食も防止できる。Ca化合物の混合量は触媒に対し15〜50wt%が好適である。また、FCC触媒およびCa化合物に加え鉄化合物を配合させることにより脱塩素率を格段に向上させ、85ppmの極めて低い塩素濃度の油分を得る事ができる。また、反応器内に不活性ガスが導入された雰囲気で、分解・ガス化が行われるため、ダイオキシンの発生を防止することができ、環境保全性にも優れる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
有機材料
有機材料
生活・文化
生活・文化
一般プラスチック廃棄物の油化
  ○いわゆるRPFや家庭ごみなど一般廃棄物に含まれるプラスチックの油化
  
輸送
輸送
有機材料
有機材料
無機材料
無機材料
塩化カルシウムの有効活用
  ○PVC廃プラスチック処理で生成する、塩化カルシウムは道路の凍結防止、土質改良剤と多くの用途がある
  
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 現在、我国では年間約1,000万tのプラスチックが、産業廃棄物あるいは一般廃棄物として廃棄されている。これら廃プラスチックの約55%が有効に利用されるが、その殆どは発電用燃料としてあるいはその他の熱源として利用されており、ケミカル・マテリアルリサイクルはあまり進んでいない。そこで廃プラスチックを分解し、燃料油等の石油資源とする技術の開発が強く望まれていた。本発明では従来の熱分解とは違った接触分解によりPE、PP、PSといった単一プラスチックの廃棄物だけでなく、それらがマテリアルリサイクルとして予め選択除去されたRPFのような都市ごみ型の混合廃プラスチックでも分解反応効率が高く、また若干のPVCや紙などが混在しても、生成油中の残留塩素や分解残渣も少ないため運転も容易である。またプロセスが簡素で小型化が可能なため低コストでの少量分散型油化プラントとして好適であり、新たなニーズが期待できる。


タイトル
(ライセンス情報)
廃プラスチックの接触分解油化方法及びそのための装置

出 願 人 財団法人北九州産業学術推進機構

ライセンス情報番号 L2008002428

お問い合わせ先

財団法人北九州産業学術推進機構
産学連携センター 知的財産部
  知的財産部長 小田 泰雄

〒 808-0135
福岡県北九州市若松区ひびきの2−1
TEL:093-695-3013  FAX:093-695-3018
E-mailAddress:
tlo@ksrp.or.jp




出願番号 PCT/JP2007/050929

公開番号 WO 2007/086348

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平19.1.22 公開日/平19.8.2 登録日/出願中

用語解説 
FCC触媒
fluid catalyst cracking
石油の流動接触分解プロセスで用いる40〜80μmの粒粉状に造粒された合成ゼオライト系の固体酸触媒
ダイオキシン ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)が正式な名称の猛毒性の有機塩素化合物
ゼオライト アルカリ金属やアルカリ土類金属を含む、アルミニウムの含水ケイ酸塩鉱物グループで金属イオンを交換する

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・IPC:C10G   1/10

原稿作成 
青山 進  有限会社青山技術士事務所 PDF