液体等の力学物性を少量の試料で非接触、且つ迅速に測定


表面張力や粘弾性等の力学物性の測定は、液体や他のソフト材料(高分子材料等)を用いる製品の開発、製造に必要不可欠な技術であるが、これまでの測定法では対象物資に対し機械的な接触子を接触させる必要があり、測定に時間が掛かり、更に多量の試料を必要とする等、原理的な問題点を有していた。本発明は、対象物資とその隣接物質との界面に電界を印加し、両物質の誘電率の差により生じるエネルギー密度の差から、界面にマックスウェル応力を発生させ、これにより対象物質の界面形状を変形させ、更にその変形状態を測定することにより、力学物性を測定するものである。電界は、対象物質とその周辺の両側に配置された一対の電極によって印加され、時間的に変化される。また、対象物質表面に生じた変形形状の検出手段は、表面にレーザー光を照射し、その反射光を検出することにより行われる。更に変形形状の検出結果から表面張力・界面張力ならびに粘性を求める。例えば、表面張力は変形量から、粘性は変形速度からそれぞれ求められる。これらにより、力学物性を非接触・非破壊で迅速に、精度良く、且つ微小量の試料について計測することができる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
繊維・紙
繊維・紙
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
化学薬品等の品質管理
  ○化学薬品や繊維・プラスッチック等の製造工程において、材料や製品の物性把握に適用し、無接触で簡易なモニタリングが可能である
  
  
電気・電子
電気・電子
機械・加工
機械・加工
有機材料
有機材料
コーティング材料の塗装管理
  ○電気製品、機械製品およびその部品等への塗料や樹脂の塗装工程において、乾燥や硬化状態に係る物性把握に適用可能である
  
  
繊維・紙
繊維・紙
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
特殊環境下での実験
  ○実験環境として高温高圧下における溶融材料や低温下における粘弾性材料等について、無接触で簡易に測定することができる
  
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 本発明は、液体や他のソフト材料の表面張力・界面張力ならびに粘性等の力学物性を印加した電界によって生じるマックスウエル応力を用いて物質を変形させて測定するもので、非接触・非破壊で微少量試料についても適用で、且つ迅速、精度良く、高信頼度な測定が可能である。このため、その用途は液体やソフト材料を用いる製品の製造、研究開発等、広範囲にわたっている。例えば、化学薬品や繊維・プラスッチック等の製造工程における生成物の物性に関する非接触モニタリングのように、製造段階での原料管理、品質管理等に適用可能である。また、高温下における実験用溶融材料や低温下における実験用粘弾性材料等の挙動や物性把握にも適用可能である。このように、液体やソフト材料を扱う製造、研究開発のあらゆる場面で適用可能であり、産業用として大きな裾野を有する市場が期待できる。


タイトル
(ライセンス情報)
力学物性の計測方法および装置

特許権者 財団法人生産技術研究奨励会

ライセンス情報番号 L2008001890

お問い合わせ先

財団法人生産技術研究奨励会
産学連携支援室 
室長 阪井 眞人

〒 153-8505
東京都目黒区駒場4−6−1
TEL:03-5452-6094  FAX:03-5452-6096
E-mailAddress:
rensaka@iis.u-tokyo.ac.jp





出願番号 特願2004-341574

公開番号 特開2006-153535

特許番号 特許4019379

権 利 存 続 期 間 15年10ヶ月(平36.11.26)

権利化情報  出願日/平16.11.26 公開日/平18.6.15 登録日/平19.10.5

用語解説 
界面張力 界面は物質の2相(液体と気体等)が接している境界のことで、この界面間で働く力をいう
表面張力 界面張力の一つで、水滴のように液体の界面(表面積)を小さくするように働く力をいう
粘性 液体や気体の「粘っこさ」のことをいい、その粘りの度合いを表す
粘弾性 粘性と弾性を併せもった物質の性質のこと。ゴムやプラスッチックのような高分子材料が代表的である
誘電率 物質に電界を印加すると内部に電気分極を生じ、その時の電束密度と電界の比をいい、物質固有の値をもつ
電束密度 電荷から放射された電気力線を束ねたもの(電束)の密度のことをいい、電荷と面積の比で表わす
マックスウエル応力 物質における内部の電荷が電界によって直接受ける力をいう

参考情報 
・IPC:G01N  13/02
参照可能な特許流通支援チャート
    :13年度 電気4  ビルドアップ多層プリント配線板
    :14年度 化学13 超臨界流体
    :16年度 電気23 化合物半導体基板技術
    :16年度 一般15 食品乾燥加工技術

原稿作成 
山本 良一  NTT-AT IPシェアリング株式会社 PDF