ゴミで叶える緑化計画


近年、焼却灰の排出量の増加が社会問題となっている。焼却灰とは、鶏糞・豚糞および牛糞等を含む畜産系廃棄物の焼却処分、生ゴミおよび都市ゴミの焼却処分や、火力発電所や燃焼炉等での化石燃料の燃焼等によって多量に発生する。焼却灰の処分法としては、埋立て処理が挙げられるが、最近では埋立て処分場の確保が困難なため、焼却灰の減容化を図ると共に、埋立て以外の再資源化法や有効活用法の開発が強く望まれている。そこで、有効活用法と再利用の最良形態として考えられたのが、藻類等の光合成生物を培養するための培地に焼却灰を原料に用いた、簡便且つ安価な光合成生物の培養と有用物質の生産方法である。本発明は、藻類等の光合成生物の生育に必要な栄養分を含有している焼却灰を、酸によって溶解し、その溶液を培地として使用することを可能にした。また、本発明の培養培地は、光照射下での振盪培養や通気培養等により、藻類等の光合成生物を培養でき、クロレラやスピルリナをはじめとする各種の光合成生物の培養と生物体の生産のみならず、これらの光合成生物が作る有用物質の生産にも有効である。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
食品・バイオ
食品・バイオ
健康食品の製造・販売
  ○食用のクロレラ、スピルリナ等の藻類を培養し、健康食品として製造・販売する
生活・文化
生活・文化
焼却灰を利用した緑化運動
  ○様々な光合成生物の培養を促進することで、緑化運動へ貢献できる

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・供与条件:許諾のみ
market potential 本発明では、鶏糞・豚糞および牛糞等の畜産廃棄物、生ゴミ、都市ゴミ、食品廃棄物、廃材や間伐材等の林産廃棄物、下水処理場汚泥、工場から排出される廃棄物等の、各種の有機性廃棄物を燃焼した際に排出される灰や、火力発電所や燃焼炉等で石炭等の固形燃料を燃焼した際に排出される灰等を用いることができる。特に鶏糞の燃焼により排出される灰、つまり鶏糞焼却灰は有用な元素から構成されるため、光合成生物の培養培地の原料に適している。また、できた培養培地は、溶液の状態は勿論のこと、固化・溶解させた固体培地もしくは半流動培地としてもよい。また、これによって栽培可能な藍藻類スピルリナや、緑藻類クロレラは、健康食品としての注目度も高い。上記のことから、ゴミの焼却処理業界や、農業、食品分野等といった多岐にわたる活路が見出せる。


タイトル
(ライセンス情報)
焼却灰を利用する光合成生物の培養培地およびその製造方法、並びに光合成生物の培養方法

出願人 国立大学法人宮崎大学

ライセンス情報番号 L2008001753

お問い合わせ先

株式会社みやざきTLO
技術移転・連携部門
嶋貫 祐次  

〒 889-2192
宮崎県宮崎市学園木花台西1−1 宮崎大学産学連携センター内
TEL:0985-58-7942  FAX:0985-58-7945
E-mailAddress:
     info@miyazaki-tlo.jp




出願番号 特願2007-174297

公開番号 特開2009-011197

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平19.7.2 公開日/平21.1.22 登録日/出願中

用語解説 
焼却灰 ゴミを焼却炉で焼却した後に残る燃焼装置から排出される灰
光合成 植物や植物プランクトン、藻類等光合成色素をもつ生物が光エネルギーを化学エネルギーに変換する生化学反応
藻類 酸素発生型光合成を行う生物のうち、主に地上に生息するコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称
振盪培養 1分間に100〜200回程度の頻度で培養容器を振り動かし、細胞と培地とを混ぜ合わせる培養法
通気培養 熱帯魚の水槽のように、バブリングを行う培養法。細胞に気体を与える事が目的

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・アドバイザー名:みやざきTLO 嶋貫 祐次
・IPC:C12N 1/12

原稿作成 
多喜 翠  システム・インテグレーション株式会社 PDF