ナノ粒子を外面だけでなく、内面にも担持することが可能なチューブ状ナノ炭素構造体


近年、フラーレンやカーボンナノチューブといったナノ炭素構造体についての研究開発が進展している。特に、カーボンナノチューブは、導電性・熱伝導率・強度等について高い性質を有するという特殊な材料であることから、触媒や電子材料などへの応用に関する種々の技術開発が盛んに行われている。しかし、カーボンナノチューブの内径は1nm程度と小さく、金属ナノ粒子を内包させることは容易ではなかった。例えば、カーボンナノチューブを、白金クラスターを担持させた燃料電池の電極材料として用いる場合、触媒としての活性が得られるのは白金が付着した外表面だけであり、表面積において制約があるという構造的な課題があった。このようなカーボンナノチューブの課題に対し、同様の材料であるフラーレンをもとに形成されるフラーレンチューブが提案されている。このフラーレンチューブは、内径のオーダが100nmと大きいため、金属粒子を内包することも可能で、カーボンナノチューブと比べ、金属粒子を担持できる表面積が大きい。本発明は、カーボンナノチューブと比べ、上記のような利点を有するフラーレンチューブに関し、具体的には、フラーレン分子(フラーレン誘導体を含む)から形成されるチューブ状のフラーレンチューブに金属元素等が内包または付着されている物質担持フラーレンチューブおよびその製造方法に関するものである。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
電気・電子
機械・加工
機械・加工
検出精度の高いセンサ
  ○フラーレンチューブの表面積の大きさを利用し、検出対象の物質を多量、且つ高効率に吸着させて、検出精度を向上させることが可能なセンサを提供する
  
電気・電子
電気・電子
発電効率の良い燃料電池
  ○加熱し導電性を付与したフラーレンチューブに燃料電池の電極材料である白金を多く担持させることで、発電効率の高い燃料電池を提供する

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 近年、フラーレンやカーボンナノチューブなどのナノ炭素構造体が発見され、これらは、導電性・熱伝導性・強度等の面で、非常に優れた性質を有し、触媒・吸着材・電極材料・電子材料等の広範囲な分野での応用展開が可能であることから、盛んに研究開発が行われている。本発明は、C60、C70等のフラーレンをもとに形成されるチューブ状炭素構造体(フラーレンチューブ)に関するものであり、内径が100nmのオーダであることから、同じくチューブ状炭素構造体であるカーボンナノチューブでは実現することが困難であった、内部への金属粒子等の担持が可能となった。そのため、フラーレン・カーボンナノチューブ等、ナノ炭素構造体について検討されている応用展開先の中でも、特に各種触媒、ガス吸着材、加熱し導電性を付与したものは燃料電池電極材料等において、高い性能を発揮することが期待できる。


タイトル
(ライセンス情報)
物質担持フラーレンチューブとその製造方法

出 願 人 独立行政法人物質・材料研究機構

ライセンス情報番号 L2008000988

お問い合わせ先

独立行政法人物質・材料研究機構
連携推進室 知的財産チーム 
係長 中野 恵介

〒 305-0047
茨城県つくば市千現1−2−1
TEL:029-859-2430  FAX:029-859-2500
E-mailAddress:
NAKANO.keisuke@nims.go.jp





出願番号 特願2006-041634

公開番号 特開2007-217248

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平18.2.17 公開日/平19.8.30 登録日/出願中

用語解説 
担持 チューブの中空部内への内包、内表面への付着、あるいは外表面への付着のいずれかの状態
グラフェンシート ベンゼン環を2次元平面に敷き詰めた6員環シートのこと
毛管現象 液体の中に細い管を立てると表面張力の作用によって管内の液体が水位よりも上昇または下降する現象

参考情報 
・IPC:C01B  31/02

原稿作成 
秋元 正哉  システム・インテグレーション株式会社 PDF