高性能な光学式水素検知用酸化タングステン薄膜を成膜時の基板温度を制御したスパッタ法にて得る |
最近、石炭や石油等の化石燃料の大量消費による温室効果ガス(炭酸ガス)の放出削減策として水素燃料電池等の水素社会を実現する研究が多方面でなされている。しかしながら、水素は爆発を伴う可燃性のガスであり、取り扱いには十分なる安全工夫が必要とされる。このためには、微量といえども漏洩した水素ガスを高精度で安全に検知する安価な汎用型の水素検知センサの開発が必須である。従来のセンサは半導体表面の水素吸着による電気抵抗変化等で検知する方法が主流であり、電気接点でのスパークなどで水素ガスが着火爆発する可能性を排除する工夫が必要であった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、酸化タングステンが室温で水素含有雰囲気に触れると光学的な透過率が減少するという特性を利用しており、スパッタ法により酸化タングステンの成膜時の基板温度を制御し、酸化タングステンの結晶性を調節して優れた水素検知材料を提供することを目的としている。これによって、電気接点等の着火源を有さない、水素ガスの検知方法を提供できるので、従来法に比べて汎用性および安全性が高い水素ガス漏洩検知装置の提供が可能になる。 |
ユーザー業界 | 活 用 ア イ デ ア |
輸送 化学・薬品 その他 | 水素ガス漏洩検出器 ○燃料用配管で水素ガスを輸送する時の配管からの水素漏洩検出に適用 |
化学・薬品 生活・文化 その他 | 水素還元装置 ○金属の酸化膜除去のための水素還元ガスの簡易濃度評価 |
金属材料 | 水素検出材料 ○酸化タングステンの結晶性を調節した優れた水素検知材料 |
関連特許 | なし |
特許情報 |
・実施段階:実施無し ・技術導入時の技術指導の有無:応相談 ・ノウハウ提供:応相談 ・ライセンス制約条件について:許諾のみ |
market potential | 今後、クリーンエネルギーとして水素の主な用途は家庭用や自動車用の分散型燃料電池で、その製造技術の開発が世界で進められている。「第47回 原子力委員会資料(第2号)」によると水素の市場規模は2020年度で451億m3、2030年度で653億m3である。(なお水素価格は60〜90円/m3;原子力eye誌,4,pp,5−36(2007))この製造技術の課題は、プロセス能力・水素の高品質化や操業性/制御性の向上および安全性の向上などである。本発明の水素検知材料は室温(20℃相当)で機能を発することから、水素を取り扱い装置・配管等内部の水素濃度や水素漏洩等の検出が可能で操業性/制御性の向上および安全性の向上に有用である。特に本発明の水素検知材料の表面にはパラジウムや白金等の触媒層を形成させて必要に応じて検出感度の向上を付与することもできる。このように本発明は今後の水素市場分野で大いに期待できる。 |
|
||||||||||||
|
|
|||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|
||||||||||||
|