広波長範囲をカバーするブロードな発光スペクトルを与え、白色に近い発光色を示す酸化亜鉛蛍光体


本発明が解決する課題は、可視光のほぼ全域をカバーするようなブロードな発光スペクトルを与える酸化亜鉛蛍光体の実現である。すなわち、酸化亜鉛のバンドギャップ以上のエネルギーをもつ電磁波(紫外線)や電子線を照射して電子と正孔を励起した場合に、発光スペクトルの強度の最強値が波長550〜650ナノメーターの範囲に表れ、またその短波長側の裾が波長400ナノメーター以下にまで及び、かつ長波長側の裾が800ナノメーター以上の長波長に及ぶ連続したスペクトルとなることを特徴とし、可視光のほぼ全域を覆うような発光を与える酸化亜鉛蛍光体の実現である。言い換えると、そうした発光を実現するために有効なエネルギー準位を酸化亜鉛基組成物に導入することである。本発明者らが、ドナーが持つ電子とアクセプターが持つ正孔との再結合による発光について研究を進めた結果、酸化亜鉛に対してアルミニウム、ガリウム、インジウムの内の少なくとも1種と、リチウム、ナトリウムの内の少なくとも1種の計2種以上の添加物を加えた際に、先に示したような、可視光の波長領域の広い範囲をカバーする連続したブロードな発光スペクトルを与える酸化亜鉛蛍光体を見出した。さらに、同蛍光体にプラズマを用いた水素添加を施すことにより、同蛍光体の発光効率がさらに高まることも、見出している。本発明はその製法及びそれを用いる発光装置に関するものである。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
化学・薬品
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金属材料
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無機材料
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酸化亜鉛蛍光体の製造
  ○安価で資源的にも安定して得られる酸化亜鉛を主成分とする
  ○可視光のほぼ全域に亘る広い波長範囲をカバーするブロードな発光を与える
  
電気・電子
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情報・通信
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生活・文化
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酸化亜鉛蛍光体の応用
  ○白色ダイオード
  ○白色真空蛍光表示管/蛍光塗料
酸化亜鉛蛍光体を用いる発光装置
  ○波長が375nm以下である電磁波や電子線を照射して発光を励起する発光装置
  ○蛍光体が発した光のうちカラーフィルターを透過する光のみを取り出す発光装置/発光装置を用いた露光装置

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:譲渡または許諾
market potential 本発明は、単一材料で、可視光のほぼ全域をカバーするブロードな発光スペクトル、すなわち、電球色に近い白色を与える蛍光体を製造し、それを蛍光表示パネル等に利用する事を可能とするものである。したがって、特段のブレンドなどの手段を講じることなく、白色に近い発光が得られる。このようなブロードな発光を示す蛍光体には、青色LEDで用いられているYAG:Ce系蛍光体がある。本発明による蛍光体は、YAG:Ceよりも低抵抗の蛍光体とすることが可能であり、光励起のみならず、電子線励起でのチャージアップの効果を低減した使用も可能である。また、YAG:Ceの様な希土類含有の蛍光体とは異なり、本発明による蛍光体は、亜鉛、アルミニウム、リチウムという比較的単価の低い元素を成分としている点も、その特徴となる。


タイトル
(ライセンス情報)
酸化亜鉛蛍光体とその製造法及び発光装置

出 願 人 独立行政法人物質・材料研究機構

ライセンス情報番号 L2006006682

お問い合わせ先

独立行政法人物質・材料研究機構
連携推進室 知的財産チーム
 係長 畑田 史孝

〒 305-0047
茨城県つくば市千現1−2−1
TEL:029-859-2571  FAX:029-859-2500
E-mailAddress:
HATADA.Fumitaka@nims.go.jp




出願番号 PCT/JP2004/006402

公開番号 WO 2004/096949

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平16.4.30 公開日/平16.11.11 登録日/出願中

用語解説 
ダイオード 2つの端子を持ち、強い非線形の電流−電圧特性を持つ電子素子
蛍光塗料 紫外および可視部の励起光線によって蛍光を発する塗料である
電子線 真空中に放射された高速度の電子の流れ。X線管・ブラウン管・電子顕微鏡などで利用

参考情報 
 
参照可能な特許流通支援チャート
    :15年度 電気19 照明用LED技術
    :17年度 電気19 照明用LED技術(更新)

原稿作成 
山本 信夫  株式会社テクノソフト PDF