車輪とレールの摩擦抵抗を安価な材料で緩和できる装置


鉄道車両は急曲線区間を通過するときに、曲線通過性能に応じた横圧を受け、きしり音(摩擦音)発生の原因となるとともに、内側レールの踏面に波状摩耗を形成する。具体的には車両が5〜60km/hの範囲内である時は所定の曲線半径以下で摩擦緩和材を噴射させる。また、停止時や速度が低い時は曲線半径にかかわらず動作させない。制御装置は曲線検出部の検出結果や空転滑走検出の結果に基づいて、気体噴射部を動作させる。本発明では従来の摩擦調整材より安価なカーボン系材料の摩擦緩和材を使用する。本摩擦緩和材は、黒鉛(グラファイト)及び又は四三酸化鉄(マグネタイト)を含有している。一方、空転・滑走が頻発する区間では、摩擦抵抗を増加させるセラミックス粒子又は珪砂などから成る増粘着材を用いる。それぞれ個別の収容装置があり、圧縮気体とゴムホース製の配管から噴射ノズルで車輪/レールに材料を供給する。また、摩擦緩和材収容装置は微粉を排除するメッシュ部を有し、車両の振動などによって摩擦緩和材の角部が摩滅して微粉が発生したときに排除でき、材料の品質を安定化させ微粉による詰まりを可能な限り防止することができる。また、摩擦緩和材のカーボンはパンタグラフのカーボン系すり板や、脱臭剤などに使用される活性炭等のカーボンを再利用できる。本発明はこれら摩擦緩和材等を収容した装置と摩擦緩和装置に関するものである。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
輸送
輸送
その他
その他
鉄道輸送
  ○都市鉄道には、随所に急曲線区間が存在する。急曲線走行時の車輪/レールの摩擦抵抗を摩擦緩和装置で容易に緩和できる
  
生活・文化
生活・文化
その他
その他
遊園地の乗り物等
  ○遊園地の乗り物等には多くの車両がある。これらの乗り物に摩擦緩和装置の利用が考えられる
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 全国に敷設される鉄道路線は、路面電車、地下鉄及び高速鉄道など多種にわたる。これらの路線で車両が走行する線路は、車輪を支持・案内する一対のレールで構成されている。線路は直線以外に急曲線の場所もある。この曲線区間では、曲線検出部、速度検出部、空転滑走検出部を有する摩擦緩和装置の制御装置が、全体の検出と制御から気体噴射で摩擦緩和材を車輪踏面とレール頭頂面との接触部(走行面)へ供給し、転向横圧を低減させることで安全の確保と経費削減に貢献している。また、この摩擦緩和装置は接触面と被接触面との間の相対運動によって摩擦抵抗を受ける移動体に応用が考えられる。例えば遊園地には多くの車両を利用した乗り物が設置されている。さらに、自動化された工場内では移動用機器類の摩擦緩和などに用いられる事が考えられる。


タイトル
(ライセンス情報)
摩擦緩和材とその収容装置及び摩擦緩和装置

出 願 人 財団法人鉄道総合技術研究所

ライセンス情報番号 L2006006420

お問い合わせ先

財団法人鉄道総合技術研究所
情報管理部 知的財産
 課長 坂本 義雄

〒 185-8540
東京都国分寺市光町2−8−38
TEL:042-573-7220  FAX:042-573-7357
E-mailAddress:
sakamoto@rtri.or.jp




出願番号 特願2003-305086

公開番号 特開2005-075042

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平15.8.28 公開日/平17.3.24 登録日/出願中

用語解説 
四三酸化鉄(マグネタイト) Fe3O4、鉄の主要な鉱石で、磁鉄鉱は尖昌石(スピネル)に属し、岩石が風化して砂鉄になる
黒鉛(グラファイト) 黒鉛は、炭素から成る六角板状ないし鱗片状結晶は、黒色で金属光沢をもつ。高温に耐え潤滑性に優れている
セラミックス 粘土等の非金属、無機質の混合物を高温で焼成させた陶磁器で、アルミナやジルコニア等の酸化物である

参考情報 
 

原稿作成 
青山 進  有限会社青山技術士事務所 PDF