含銅廃棄物から高純度の金属銅が回収できる方法と装置


本発明の銅の析出回収方法および装置は、金属銅を析出させるためのカソード、隔膜内側に導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質または導電性粒子から選ばれるアノードを設置したアノード室を設置して1価銅イオンを含む溶液をアノード室内に供給しながら電気分解を行い、2価銅イオンを生成させるとともに、生じた2価銅イオンをアノード室より排出することによる1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出する。アンモニアアルカリ性溶液は、アンモニア水溶液とアンモニウム塩を用いて調製されるものである。アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウムまたはそれらの混合物から選ばれるものを用いる。アノードをカソードと交互に配置し電解を行うものであり、1価の銅イオンを含有する溶液には、2価の銅イオンをできるだけ含まない状態であることが望ましい。アノードを示す構成は、生じた2価銅イオンをアノード室より排出するための排出管を設けておいて、2価銅イオンを取り出す。排出した2価銅イオンを含有する溶液は、銅金属廃棄物から1価銅金属イオン溶液を製造する工程に供給することにより有効に利用できる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
電気・電子
製造が簡易、且つ環境保護志向
  ○製造効率の良い電気分解装置
化学・薬品
化学・薬品
電力消費量が少ない環境にやさしい銅の回収
  ○新規な電気分解で省エネ生産

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 近年、含銅廃棄物から、高純度の金属銅を回収するには、電解採取法が最も有効な方法であるとされてきた。この方法によれば、カソードでは2価銅イオン溶液を電解し、カソードに金属銅として析出させ、アノードでは酸素発生が起こることとなる。その結果、電解採取方法では、電解時の消費電力が必然的に大きくなるという問題が指摘されてきた。この処理には高エネルギーを必要とするために、エネルギーの使用量が少ない方法の開発が要望されている。このような背景から本発明は、アノードをカソードと交互に配置し電解を行うことにより、電解の効率化を図ることができる。銅1tあたりの電力消費量は、従来の硫酸酸性水溶液を用いた場合に比べ著しく小さい。今後の希少価値の金属資源すなわちレアメタルの市場では、地球環境に優しい省エネで効率の良い方法と装置を提供することが期待できる。


タイトル
(ライセンス情報)
2価銅イオンの生成方法及び装置

出 願 人 独立行政法人産業技術総合研究所

ライセンス情報番号 L2006004256

お問い合わせ先

独立行政法人産業技術総合研究所つくばセンター
財団法人日本産業技術振興協会 
産総研イノベーションズ

〒 305-8568
茨城県つくば市梅園1−1−1
TEL:029-862-6158  FAX:029-862-6159
E-mailAddress:
aist-innovations@m.aist.go.jp




出願番号 特願2006-097929

公開番号 特開2007-270283

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平18.3.31 公開日/平19.10.18 登録日/出願中

用語解説 
アノード 電気分解するときの陰極。カソード側からアノード側へ溶液を移動して析出
電流密度 本発明では、電流密度を小さくして、酸素の発生を防ぎながら1価銅イオンから2価銅イオンへの酸化が可能
還元反応 本発明では、カソード付近に金属銅が電極表面に析出する

参考情報 
・IPC:C25C   1/12
参照可能な特許流通支援チャート
    :15年度 一般12 質量分析

原稿作成 
川田 洋二  日本アイアール株式会社 PDF