簡略な構成で微弱磁界を高精度に検出できる磁界センサ


本発明は、検出コイルが巻かれた磁性体に電流を流して磁界を検出する直交フラックスゲート型の磁気センサにおいて、特に磁性体の磁気異方性に基づく検出精度の低下を防止して微弱磁界を高感度且つ高安定に検出する磁気センサに関するものである。従来は被検出磁界が存在しない場合であっても、励磁電流による励磁磁界が存在する時には検出コイルに誘起電圧が現れ、磁界センサのオフセットになり、温度と共に変動すればドリフトを生じるという課題があった。本発明の磁界センサは、所定の長さの磁性体からなる磁心と、磁心に巻かれた検出コイルとを備え、磁心に励磁電流を流して検出コイルに誘起される誘起電圧により微小磁界を検出する。磁心には正または負の一方にバイアスされた脈流からなる励磁電流を流し、検出コイルは、磁心に印加される被検出磁界が存在せず、且つ、励磁電流による励磁磁界が存在するときに発生する誘起電圧を相殺し、被検出磁界が存在し、且つ、励磁電流による励磁磁界が存在するときに被検出磁界で誘起される誘起電圧を出力するものである。本発明においては、真の検出対象である微弱磁界を磁心および検出コイルの特性・構成に依存して発生する不用な誘起電圧の影響を受けることなく検出できることとなり、検出精度を向上させ、且つ、より安定した検出が実行できる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
その他
その他
生体磁気(肺磁界)検出に応用
  ○喫煙者などにおける肺機能低下の診断に使用できる磁界を利用した肺機能の診断に応用する
電気・電子
電気・電子
その他
その他
地磁気センサに応用
  ○携帯電話でGPSナビゲーションをする際に、ユーザがどちらを向いているかを検出する地磁気センサとして応用

  
機械・加工
機械・加工
金属材料
金属材料
鋼材非破壊検査に応用
  ○鋼材非破壊検査装置に使用する磁気センサとして応用
  
電気・電子
電気・電子
非接触電流計に応用
  ○非接触で電流を測定可能な非接触電流計の磁界センサとして活用

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 磁気センサには@SQUID型、Aフラックスゲート型、BMR磁気抵抗素子、Cホール効果型などがある。本発明の磁気センサはAのタイプである。@は10-9テスラ以下の極微小磁界センサとして医用・生体磁気検出に、Aは10-11〜10-3テスラの微小磁界センサとして地磁気、生体磁気検出に、B、Cは変位検出などに使い分けられている。本発明はフラックスゲート型磁気センサの検出精度向上、安定化に寄与する技術である。しかし、本発明の範囲では磁心に検出コイルを巻きつけるなどの作業が必要であり、小型化、低価格化には制限がある。一方、半導体加工技術を用いてセンサヘッドの薄膜化を実現する技術が紹介されている(特許2730437)。両者を組み合わせると、従来数cmだった大きさが2mm程度に小さくなり、超小型、低価格のフラックスゲート型磁気センサが実現でき、用途が急激に広がると期待される。


タイトル
(ライセンス情報)
磁界センサ

出 願 人 独立行政法人科学技術振興機構

ライセンス情報番号 L2006002849

お問い合わせ先

独立行政法人科学技術振興機構
技術移転促進部 シーズ展開課
  係長 大木 章夫

〒 102-8666
東京都千代田区四番町5−3
TEL:0120-679-005  FAX:03-5214-8454
E-mailAddress:
j-store@tokyo.jst.go.jp





出願番号 特願2004-136530

公開番号 特開2005-315812

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平16.4.30 公開日/平17.11.10 登録日/出願中

用語解説 
磁気異方性 強磁性体中の磁気モーメントの向きによって、その内部エネルギーが異なる性質をいう
磁心 フェライトなどの磁性材料で作られたドーナツ状の小片。コア。磁気コア
励磁電流 鉄心に主磁束を形成する電流が励磁電流(れいじでんりゅう)である
地磁気 地球の持つ磁石として性質、それによって作られる磁場、磁針が南北を指すのはこれによる
GPSナビゲーション 人工衛星を利用して、自分が地球上の何処にいるかを割り出すシステムにより、その位置を知らせる

参考情報 
・IPC:G01R  33/04

原稿作成 
石田 正浩  株式会社ベンチャーラボ PDF