ジンクフィンガー蛋白質を用いる遺伝子の高感度・高速検出方法


本件は、亜鉛−結合部位を持った「ジンクフィンガー蛋白質」の特異的機能を利用して「標的核酸(遺伝子)」を高感度・高速に検出する新しい方法の提案であり、食中毒の原因菌の識別など幅広い分野に応用できる。ジンクフィンガー蛋白質とは、特定DNA配列に特異的に結合する「ジンクフィンガーモチーフ」を有する蛋白質で、数百種類以上が同定されている。典型的なモチーフはシステイン残基2個とヒスチジン残基2個を含み、4個の残基が亜鉛イオンに配位した立体構造をもち、特定配列の「二本鎖DNA」と特異結合する。すでに数千種類のジンクフィンガーモチーフが同定されている。目的とする特定DNA配列を認識するジンクフィンガー配列を設計することも可能と思われる。本発明は、PCR産物を「二本鎖のまま」特異的に検出する測定系を開発し、標的遺伝子を特異的に検出する方法を提供するものである。従来、標的遺伝子の特定領域の検出には、PCR法でこの遺伝子の特定領域を増幅し、「ハイブリダイゼーション法」でPCR増幅産物を検出する方法が用いられており、この過程で、二本鎖であるPCR産物を一本鎖とするプロセスがあり、このために検出精度の低下と反応に長時間を要することが避けられなかった。これに対し、本件技術は、PCR増幅産物を「二本鎖のまま」検出する方法を創成することにより精度と迅速性を大幅に向上させた。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
食品・バイオ
食品・バイオ
生活・文化
生活・文化
食中毒予報システム
  ○日本全国の主要拠点で食中毒原因菌を常にモニターし、天気予報に準じた予報システムを構築
  
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
生活・文化
生活・文化
食品検査消費者センター
  ○食品の品種や産地表示の簡易検査システムを消費者センターで活用
臨床検査への応用
  ○細菌の関与する病気診断システムへの応用。ヒト、動物、鳥などに適用する
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 本件技術の応用対象物は、菌体、農産物、食品、動物およびヒトからの組織、体液、血液、糞便などである。対象サンプルからDNAを調製し、PCR増幅を行い、増幅産物とジンクフィンガー蛋白質とを接触させ、その結合の程度を検出する。標識したジンクフィンガー蛋白質を用いて標識量を測定することで、PCR増幅産物に結合したジンクフィンガー蛋白質を定量することもできる。標識方法としては、放射性標識、蛍光標識、ビオチン、アビジン等のアフィニティー標識等が用いうる。本方法の好的用途の第一は、特定細菌を近縁細菌と区別して検出することである。例えば、食中毒の診断および予防のために食中毒原因菌と他の菌を区別して検出する必要がある。従来法は大変複雑で時間がかかったが、本方法は、高精度、迅速、特異的な検出法である。菌体だけでなく、農産物、食品、動物、ヒトへと適用対象を拡げることが期待される。


タイトル
(ライセンス情報)
ジンクフィンガー蛋白質を用いる標的核酸の検出方法

出 願 人 農工大ティー・エル・オー株式会社

ライセンス情報番号 L2006000785

お問い合わせ先

農工大ティー・エル・オー株式会社
  峯崎 隆司

〒 184-8588
東京都小金井市中町2−24−16
TEL:042-388-7254  FAX:042-388-7255
E-mailAddress:
office@tuat-tlo.com




出願番号 特願2003-285706

公開番号 特開2005-052061

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平15.8.4 公開日/平17.3.3 登録日/出願中

用語解説 
PCR Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)、特定DNA断片を増幅する
DNA Deoxyribonucleic acid(デオキシリボ核酸)の略、高等生物の遺伝情報を担う物質
ハイブリダイゼーション法 DNA - DNA分子交雑法。DNA配列の類似性の評価手法で、種間の遺伝的距離を定量的に評価できる

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
参照可能な特許流通支援チャート
    :14年度 化学 9 バイオチップと遺伝子増幅技術

原稿作成 
梶谷 浩一  株式会社テクノソフト PDF