長期間細胞を生存、増殖させ得るバイオリアクターを提供する


細胞を培養するバイオリアクターは、担体に細胞を含む培地を供給して細胞を生存、増殖させるものである。本発明はこの担体の製造法とバイオリアクターの構造に関する。担体は次の方法で製作する。繊維状燐酸カルシュウム化合物に可燃性材料(例えば粒子径150μ以下のカーボンビーンズ)とエタノールを加えて混合し、スラリー状とする。この混合液をバイオリアクターの培養槽と同じ形状の型に入れ、吸引ろ過して固化する。次に、この固形体を水蒸気雰囲気において1300℃、5時間加熱して焼成すると可燃性材料が焼失して多孔質燐酸カルシュウム成形体(担体)が得られる。担体はマクロポア(直径5〜500μの連続した気孔)とミクロポア(直径5以下の気孔)を含む。可燃性材料の添加量を調整して気孔の割合を加減できる。担体をラジアルフロー型バイオリアクターの培養槽に入れて、外周側から培地を供給し、中央の管から排出して循環させる。播種は培地に細胞を添加して行う。ヒト肝細胞癌由来のFLC-4を培地に添加して、担体に循環供給した場合、7日後に培地中のグルコース、乳酸値、pHなどを測定した結果、生存、増殖していることがわかった。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
食品・バイオ
食品・バイオ
人口骨・人口歯根の作成
  ○本発明技術にしたがって、繊維状燐酸カルシュウム化合物、カーボンビーンズ、エタノールの混合物スラリーを作成して、移植しようとする骨あるいは歯根の形状となるように型に入れ、吸引ろ過して固化する。これを焼結して人口骨あるいは人口歯根とする。最終形状にニアネットシェイプ成形できることが特長である
化学・薬品
化学・薬品
食品・バイオ
食品・バイオ
バイオコンバージョン
  ○本発明技術にしたがって、平板状の焼結体を成形して担体とし、層状に積上げる。この担体表面に細胞または分解酵素を担持させて、有機溶媒を灌流して分解する。あるいは、廃棄物質から有用物質を合成する
  
土木・建築
土木・建築
生活・文化
生活・文化
人工岩礁
  ○本発明技術にしたがって、人工岩礁の形状に焼結する。この人工岩礁に藻類用の肥料を吸蔵させて海中に設置すると藻類あるいは海草類が着生し、漁礁となるほか海の環境改善に役立ることができる
  

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 多孔質物質は吸着、吸収、担持、吸蔵、絶縁、緩衝などの特性を有すので広い分野で利用されているが、その用途に適合した材料を開発する必要がある。燐酸カルシュウムは生体組織との親和性が高く、骨組織の細胞や血管組織などと結合し易い。このため、安全で、機械的強度を有する多孔質物質として、人工骨や人工歯根などの生体材料として利用可能である。また、燐酸カルシュウムを平板状担体とした界面バイオリアクターを構成して、生体触媒を固定し、有機溶媒の分解や有用物質の合成をすることが期待できる。一般に界面バイオリアクターは非常に高効率な装置であることが知られている。さらに、燐酸カルシュウムを岩礁として焼成して、肥料を吸蔵させて海中に沈めておくと、肥料は長期間にわたって溶出して藻類や海草が定着するので、海の環境改善に役立てることも可能と思考される。


タイトル
(ライセンス情報)
バイオリアクター

出 願 人 学校法人明治大学

ライセンス情報番号 L2006000453

お問い合わせ先

明治大学
明治大学知的資産センター
知的資産センター事務室  

〒 101-8301
東京都千代田区神田駿河台1−1
TEL:03-3296-4327  FAX:03-3296-4283
E-mailAddress:
tlo@mics.meiji.ac.jp




出願番号 特願2005-079350

公開番号 特開2006-254848

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.3.18 公開日/平18.9.28 登録日/出願中

用語解説 
バイオリアクター 細胞や酵素など生物由来の物質を用いて、分解・合成を行う反応装置。常温・常圧下で化学反応できる
担体 細胞や酵素などを固定する土台。細胞や酵素などの反応物質に対して安定であることが必要
培地 細胞を培養する物質。血清や寒天が代表的
ラジアルフロー型バイオリアクター バイオリアクターの担体を円筒状に形成し、培地を外周側から中心に向かって流す型式のもの
界面バイオリアクター 寒天などの培地に細胞を培養して、その表面に各種の基質、例えば有機溶媒を灌流して分解したり、合成する

参考情報 
・IPC:C12M   3/00
参照可能な特許流通支援チャート
    :14年度 化学10 生体親和性セラミックス材料
    :16年度 化学23 バイオリアクター技術

原稿作成 
原稿作成:山口 幸男  株式会社ベンチャーラボ PDF