手術中にすばやく洗浄でき汚れも確実に落とせる、内視鏡の洗浄装置


腹腔鏡のように、ガス中で操作する内視鏡手術では、例えば尿管のように常に濡れている場面に比較して内視鏡の先端や照明器具の先端は体液の飛沫や電気メスの煙などで容易に汚染され、視野を妨げて手術に支障をきたすことが少なくない。このために、術中に内視鏡を体外に抜き出して洗浄液を含ませたスポンジ等でぬぐうということが行なわれるのだが、非効率的であるだけでなく体内外の温度差によって結露するといった問題もある。本発明はこの点を改善すべく工夫された洗浄装置で、いつもはシールで密閉された低圧チャンバーに内視鏡の先端を差し込むと、自動的に洗浄液がノズルから内視鏡の先端に向かって噴出し、洗浄するという構造をとっている。さらにこの洗浄液タンクには保温装置があり、適切な温度に洗浄液を保ち、これによって結露を防ぐことも工夫されている。低圧チャンバーは、外部の吸引圧力装置によって減圧されており、洗浄液タンクは外気と連通しているので、その圧力差で洗浄液が噴出するのである。このほかに低圧チャンバーと洗浄液タンクとは一体にすることもでき、また内視鏡を差し込む機密シールの構造や過挿入防止のストッパーなどについても様々な工夫が施されている。また洗浄するのは内視鏡の先端に限らず、内視鏡手術に用いる鉗子やアクチュエータなどの器具も洗浄できることはいうまでもない。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
機械・加工
機械・加工
その他
その他
構造の簡単な内視鏡の洗浄装置
  ○本発明の内視鏡洗浄装置を製造し医療現場に提供できる
  
生活・文化
生活・文化
その他
その他
内視鏡の洗浄装置を利用
  ○本発明の洗浄装置を内視鏡手術現場で利用する
  

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 体孔に挿入する内視鏡は胃カメラをはじめ医療現場で多く使われている。一方近年体表に小さな穴を開けるだけで内臓や脳、関節などの手術が行なえる内視鏡手術が多数行なわれるようになっており、本発明の洗浄器はこの後者のための器具である。手術中に術者の注意をそらすことなく簡便に手術器具の汚れを取って視野を確保し、安全に作業を続けることができるこの器具は、今後内視鏡手術の拡大に伴って必ず要求されるものといえる。すでに内視鏡自体に洗浄装置を組み付けたものもあるが、本発明の器具はそれとは異なりスコープだけでなく一緒に使われるさまざまな器具も一つの洗浄器で簡単に洗浄できるという点が、現場に受け入れられやすい特徴である。医療器具メーカーにとっては有望なビジネスチャンスになるといえる。


タイトル
(ライセンス情報)
内視鏡手術器具の洗浄装置

出 願 人 国立大学法人群馬大学

ライセンス情報番号 L2006000030

お問い合わせ先

国立大学法人群馬大学
研究・知的財産戦略本部
コーディネーターアシスタント
  長岡 範安

〒 376-8515
群馬県桐生市天神町1−5−1
TEL:0277-30-1174  FAX:0277-30-1178
E-mailAddress:
nnagaoka@eng.gunma-u.ac.jp




出願番号 特願2005-051512

公開番号 特開2006-230795

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平17.2.25 公開日/平18.9.7 登録日/出願中

用語解説 
鉗子 手術器具で臓器や品物を挟んで固定したりするのに使う。通常はハサミ状の形をしている
内視鏡 体内に挿入して内部を観察する医療用光学機器。医療用以外に曲がった管内を見るためにも使われる
内視鏡手術 大きく体を切り開かずに体内に内視鏡を挿入して見ながら、切除用などの器具を挿入して行なう手術方法

参考情報 
・IPC:A61B   1/12

原稿作成 
原稿作成:吉田 邦雄  システム・インテグレーション株式会社 PDF