石炭火力発電所等から排出された石炭灰を利用した導電性ガラスの製造方法


本発明は、石炭灰に酸化鉄を加えた混合物を、加熱・溶融した後に急冷してできる導電性ガラスと、その導電性ガラスの製造方法に関するものである。石炭灰は、全国各地で稼動する石炭火力発電所から大量に排出されており、この石炭灰の有効な活用方法として発明されたものである。本発明で前提とする石炭灰は、二酸化珪素(SiO2)および酸化アルミニウム(Al2O3)を主成分として、酸化カルシウム(CaO)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化カリウム(K2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化マグネシウム(MgO)を含む組成からなるものであり、本発明は、その石炭灰に当該石炭灰の5質量%から30質量%の酸化鉄(Fe2O3)を加えた混合物を加熱、溶融した後に急冷してできる、一定の電気伝導率を有する導電性ガラスと、その製造方法に関するものである。本発明の製造方法を用いると、Fe(U)からFe(V)へと、スモールポーラロンと呼ばれる電子ホッピング伝導が生じ、4.6*10−8Scm−1〜2.4*10−7Scm−1の電気伝導率が得られる。また、この導電性ガラスは磁石に吸着する性質ももっている。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
電気・電子
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電子機構部品
  ○電子応用製品の高速・高回転等で発熱する部位において、導電性が必要とされる部位への活用
電気・電子
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電池電極
  ○2次電池や太陽電池の電極材料等、化学反応に強く、熱膨張の少ない特性を活かした電池電極部品
電気・電子
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静電気除去材料
  ○静電気を逃がす導電性ゴムに変わる硬度を有する静電気除去材料
電気・電子
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磁性材料
  ○耐薬品性を要求される部位に使用される磁性材料

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:試作段階
・技術導入時の技術指導:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・供与条件:許諾のみ
market potential 石炭火力発電所では、石炭を燃やした後にできる石炭灰の処理が大きな課題となっている。排出される石炭灰の量は、平成11年度で760万tで前年比11%増と増加傾向にある。本発明は、石炭灰を有効に活用するために発明されたものであり、石炭灰に酸化鉄を加えた混合物を加熱、溶融した後に急冷して製造した導電性ガラスの製造方法に関するものである。導電性ガラスは、導電性金属と異なり、高温でも熱膨張が少ない特性がある。本発明では、このような特性をもった導電性ガラスを安価に製造することが可能になった。導電性ガラスは、磁気ディスク基板を固定・保持するスペーサや、シム、クランプ等の保持部材、太陽電池用電極、サーミスタ等のセンサー、充電および放電の繰り返しが可能な2次電池カソードの材料等への活用も可能であり、各方面での活用が期待される。


タイトル
(ライセンス情報)
石炭灰を用いた導電性ガラス及びその製造方法

特許権者 財団法人北九州産業学術推進機構

ライセンス情報番号 L2005011465

お問い合わせ先

財団法人北九州産業学術推進機構
産学連携センター 知的財産部
知的財産部長
小田 泰雄  

〒 808-0135
福岡県北九州市若松区ひびきの2−1
TEL:093-695-3013  FAX:093-695-3018
E-mailAddress:
     tlo@ksrp.or.jp




出願番号 特願2002-086133

公開番号 特開2003-277101

特許番号 特許4085139

権 利 存 続 期 間 12年2ヶ月(平34.3.26)

権利化情報  出願日/平14.3.26 公開日/平15.10.2 登録日/平20.2.29

用語解説 
導電性ガラス 電気的導電性があるガラス。導電性ガラスは通常のガラスの特徴を受け継いで、電気伝導率をもたせたもの
熱膨張 物体の体積が温度の上昇につれて増加する現象
磁気ディスク コンピュータ装置やハードディスクレコーダ等で使われる、補助記憶装置に使われる部品

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・アドバイザー名:北九州TLO 福田 隆三
・IPC:C03C 4/14

原稿作成 
鈴木 春洋  システム・インテグレーション株式会社 PDF