光の波長変化を利用して超高速通信が可能な光FSK変調器および光SSB変調器


光FSK変調器は光の干渉現象を利用して周波数変調された光信号を得るものである。図1に示すように、光FSK変調器では4つの位相変調器を2組ペアで使用する。1つのペアの中では、3つの光成分(下側波帯成分、もとの光、上側波帯成分:光周波数が位相変調周波数分シフトしたスペクトル成分)のうち、もとの光が打ち消される。それ故1つのペアから出てくる光は下側波帯成分と上側波帯成分の2つとなる。さらにこのペアから出てくる光を混ぜ合わせる。このときに位相を下側波帯成分が強めあって、上側波帯成分を打ち消しあうようにしたり、逆に上側波帯成分が強めあって、下側波帯成分を打ち消しあうようにしたりする。2つのペアから出てくる光を混ぜ合わせる部分にバイアス電圧をかけることで位相を調節する。この電圧を高速に変化させると周波数が瞬時に切り替わり、光FSK変調信号が発生する。光SSB変調器はさらに位相変調器に対してもバイアス電圧をかけ、このバイアス電圧の設定を変えることで下側波帯成分(または上側波帯成分)のみを出力として得るものである。位相変調周波数やバイアス電圧を変化させることで、高速の光SSB変調信号が発生する。このバイアス電圧調整が所望の性能を得る上で重要であり、本発明ではこれら複数のバイアス電圧の適切な調整方法を提供している。光FSK変調器は現在10Gbpsを実現しており、さらなる高速化が期待される。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
情報・通信
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有機材料
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生活・文化
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光通信
  ○光高速通信
  ○高速大容量伝送
  ○マイクロ波、ミリ波などの無線信号を光で送るファィバー無線
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情報・通信
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無機材料
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光通信機材
  ○光FSK変調器、光SSB変調器
  
  
電気・電子
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輸送
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計測
  ○テラヘルツ波信号による非破壊計測(X線計測に変わる手段)
  
情報・通信
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信号生成
  ○UWB無線通信などのミリ波帯無線信号発生

関連特許 あり
特許情報 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 光変調器により生成されるサイドバンド光を制御することで光の特性を生かした新しい機能の実現が可能である。NICT独自の工夫による光FSK変調器、光SSB変調器、往復逓倍光変調器をベースとした高度な光制御技術による光パケットラベリング、光パケット交換、無線技術への応用が考えられる。光FSK変調器と光強度変調器を直列に接続することで光FSK変調器による光ラベル処理が実現できる。光SSB変調器を用いて光パケットの遅延量を電気的に制御する光パケットの衝突回避バッファを構成できる。往復逓倍光変調器は周波数の低い信号をもとに高い周波数成分を持つ光信号を発生させる能力を持つもので、安定したミリ波、テラヘルツ波信号を発生できる。光変調器のこれまでの大きな役割は電気信号で表現された情報を光にコピーするというものであったが、今後は超高速・高精度光計測、光周波数計測などさまざまな分野への応用が期待される。


タイトル
(ライセンス情報)
光SSB変調器又は光FSK変調器のバイアス調整方法

出 願 人 独立行政法人情報通信研究機構

ライセンス情報番号 L2005010923

お問い合わせ先

SCAT NICTインキュベーションズ
NICTインキュベーションズ
 調査役 中村 升一

〒 160-0022
東京都新宿区新宿1−20−2 小池ビル
TEL:03-3351-9812  FAX:03-3351-9803
E-mailAddress:
nakamura@scat.or.jp




出願番号 特願2004-074639

公開番号 特開2005-265959

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報  出願日/平16.3.16 公開日/平17.9.29 登録日/出願中

用語解説 
光SSB変調器 (光単側波帯変調器)光の振動回数で、波長で光を特徴づける。光通信では、周波数で表現することが多い
光FSK変調器 光の強度は一定に保ったまま、光周波数のみを変化させ、情報の伝送ができる。強度変調方法と併用ができる
光周波数 光の振動の回数のことで、波長で光を特徴づけると物理的には同義である。光通信では周波数を云う
FBG Fiber Bragg Grating (光ファイバグレーティング)光ファイバのコア部の屈折率を周期的に変化させた回折格子の構造センサ

参考情報 
 

原稿作成 
青山 進  有限会社青山技術士事務所 PDF