耐震強度が大きい木造建築用二重落し込み板パネル、および長ホゾ差込栓構法による木造耐力壁


この発明の主な目的は、特に水平外力に対する耐力性に優れたパネルを用いた木造建築物を作ることにある。通常木製のパネルを作るには柱材にスリットを設けて合板などの面板を差し込むような構造が多く、例えば木造家屋の柱に補強用の筋交いを入れるにしても金具とボルトナットを用いて締結する、あるいはパネル構造であれば接着剤を使うなどの工法が一般的である。しかし、これらはいずれも地震などの水平外力に弱かったり、接着剤はシックハウス症候群の原因となったりするなどの欠点がある。
本発明のパネルはこれらの欠点を解決するため、長ほぞ差込栓をほぞ穴に打ち込んで込栓で固定するなど、引張力に耐える構造を随所に取り入れてパネルを組み立て、さらに土台や梁ともダボにより接合することで、これを用いた建造物は非常に高い剛性が得られるのである。
同じ幅と板厚を使ったパネルでも、ダボの本数が多いほど、また柱と柱の間の間柱の有無で壁倍率は大幅に変化し、国土交通省告示の落し込み板仕様の壁倍率(0.6)の数倍の強度が得られるようになる。
これらのパネルは、工場で大量生産してストックし、必要な都度必要量を現場に運んで組み立てるので、現場施工に比較すると大幅に工期を短縮できるというメリットもある。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
土木・建築
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生活・文化
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二重落し込み板パネル
  ○本発明のほぞ構造二重落し込み板パネルを規格化し量産する
剛性の強い木造家屋
  ○本発明のほぞ構造二重落し込み板パネル構法により耐震性・剛性の高い木造住宅を建築する

関連特許 なし
特許情報 ・実施段階:実施なし
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:有り
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential 地震国であるわが国では、大きな地震が発生するたびに建築物の耐震性が問題となる。木造建築物でも倒壊しなければ火災になる恐れも少ないことから、強い水平外力に耐えることが必要条件になっている。
とはいえ、従来の構造のままでは徒に多量の資材を使って強固にする、あるいは現場施工でほぞ構造を各部に使って、使用する部材形状を複雑にするのは決して得策とはいえない。また、高騰する人件費に照らしても現場作業を軽減して工期を短縮することはいわば至上命令でもある。
このような市場の要望に応える一つの有力な解決方法が、本発明の耐力壁構造であり、工法である。しかも工場で規格化した断熱材充填板パネルを大量生産することにより、幾分複雑な部材形状となろうとも却って現場での施工コストは低減されるのである。


タイトル
(ライセンス情報)
二重落し込み板パネル構法による木造耐力壁とその固定方法

特許権者 国立大学法人山口大学

ライセンス情報番号 L2005009371

お問い合わせ先

有限会社山口ティー・エル・オー
  中島 道寛

〒 755-8611
山口県宇部市常盤台2−16−1 山口大学地域共同研究開発センター内
TEL:0836-22-9768  FAX:0836-22-9771
E-mailAddress:
tlojim@crc.yamaguchi-u.ac.jp




出願番号 特願2004-206468

公開番号 特開2006-028805

特許番号 特許3834662

権 利 存 続 期 間 16年10ヶ月(平36.7.13満了)

権利化情報  出願日/平16.7.13 公開日/平18.2.2 登録日/平18.8.4

用語解説 
壁倍率 建築基準法では壁の長さ1 m あたりの基準耐力が1.275kNであることを壁倍率1.0と定義する
ほぞ構造 一方にあけた穴に他方の凸部を差し込んで固定する構造。伝統的な木造建築に多く使われている
込栓 主にほぞの差込部を補強するために用いる堅木の小片

参考情報 
・特許流通アドバイザーによる推薦
・IPC:E04B 2/56

原稿作成 
吉田 邦雄  システム・インテグレーション株式会社 PDF