充電時間が1/3、寿命が10倍になる二次電池の充電装置


近年、ポータブル機器の発達に伴い、二次電池の使用が著しく増加している。これに対応する充電装置は一般に電池の電圧や温度を検出し、被充電電池の状態を監視し、充電完了を判定している。しかしながらこの制御方式は単純であり、種々の不都合を生ずる。電池の種類(電極、電解質、構造など)、充電時の周囲環境条件、その電池の使用履歴などにより被充電特性が異なるからである。これらを軽視して充電した場合、過充電になり易く、発熱、漏液、サイクル寿命の短縮を起こす。本発明は上記の欠点を改善する技術である。具体的には最初に所定の印加電圧で一定時間充電した後、印加電圧を満充電平衡電位に切替える。ここで電流値を検出、その値を判定基準値と比較する。電流値が判定基準値より大きいときは再び電池を所定の充電印加電圧で印加して上述のフローを繰り返す。最後に電流値が判定基準値以下になった時に充電を停止する。ニッケル水素電池を使って実際に本方式による充電器と従来の急速充電器を比較した結果が右ページの図である。充電所要時間と電池温度に大きな差があることが判る。また、電池使用者にとって重要な要素11項目につき従来方式と比較表示した。本方式の特徴は無理な充電を避ける方法である為電池の内部構造を痛めない、その結果サイクル寿命が飛躍的に延びる。
ユーザー業界 活 用 ア イ デ ア
生活・文化
生活・文化
ミニ充電サービスコーナー
  ○喫茶店などの片隅に置き、携帯電話やパソコンの充電サービスに。コーヒーを飲んでいる間に充電完了

自転車用急速充電器
  ○電動アシスト自転車用蓄電池の急速充電器
土木・建築
土木・建築
生活・文化
生活・文化
電動工具用急速充電器
  ○ドリルなどの電動工具の急速充電器

  

関連特許 国内外あり
特許情報 ・実施段階:実施有り
・技術導入時の技術指導の有無:有り
・ノウハウ提供:有り
・ライセンス制約条件について:許諾のみ
market potential リチウムイオン蓄電池の急激な伸びもあり2003年の国内向け二次電池の総生産は約62億個、金額にして約7千億円に上っている。一方、充電器に対する使用者側からのニーズとしては「充電時間の短縮」、「どのタイプの電池にも対応できる」、「電池寿命が長持ちする」、「発熱、漏液、破損などが生じない」、「取扱い易い」、「コストが安い」などが挙げられる。本発明はこれらの要求に応え得る技術である。実際面で想定される応用としては、携帯電話やノートパソコンなどの充電スタンドとして喫茶店などの片隅に置き、サービス向上の一環に。工事現場などでポータブル電動工具の充電に、家庭では玩具などの比較的大電流放電をする電池への充電用に。また、電動アシスト自転車が普及しつつあるが、自転車店などに急速充電器として置く。更には自動車用バッテリー急速充電器(ガソリンスタンドなど)にまで拡がる。


タイトル
(ライセンス情報)
二次電池の超急速充電方法

特許権者 財団法人新産業創造研究機構、テクノコアインターナショナル株式会社

ライセンス情報番号 L2005005941

お問い合わせ先

財団法人新産業創造研究機構 技術移転センター
ディレクター 島田 一男

〒 650-0047
兵庫県神戸市中央区港島南町1−5−2
TEL:078-306-6808  FAX:078-306-6813
E-mailAddress:
shimada@niro.or.jp




出願番号 特願2000-391318

公開番号 特開2002-199607

特許番号 特許3430439

権 利 存 続 期 間 14年11ヶ月(平32.12.22満了)

権利化情報  出願日/平12.12.22 公開日/平14.7.12 登録日/平15.5.23

用語解説 
二次電池 充電により繰り返し使用できる化学電池のこと。鉛蓄電池、二カド電池、リチウムイオン電池など
過充電 電池の容量を超えて充電されること。エネルギーは熱となり、急激な温度上昇、発火、破壊に至ることがある
満充電 充電可能分の容量をフルに充電した状態印加電圧
印加電圧 過渡的な瞬時電圧の尖頭値および、リプリ電圧の尖頭値を含んだ電圧値

参考情報 
●特許流通アドバイザーによる推薦
参照可能な特許流通支援チャート
    :13年度 化学7 リチウムポリマー電池

原稿作成 
●原稿作成:青山 進  有限会社青山技術士事務所 PDF