耐久性と安定性に優れた、有機ELハイブリット材料およびその製造方法


本発明は、EL特性を有するπ共役高分子の特性を損なうことなく、ガラス中に均一に分散させることにより得られる、耐候性や化学劣化安定性などに優れた特性を有する有機ELハイブリッド材料とその製造方法に関するものである。構成としては、ジホスホニウム塩化合物とジアルデヒド化合物とのウィティッヒ反応により合成される共役長の末端にトリフェニルホスホニウム基が導入されたポリアリレンビニレンを合成し、このポリアリレンビニレンを、テトラアルコキシシランと混合しさせゾル−ゲル法により固化(ガラス化)させた有機ELハイブリッド材料である。特にそのポリアリレンビニレンがメトキシエチルヘキシルオキシ−ポリフェニレンビニレンであり、アルコキシシランがテトラアルコキシシランであることが好ましい。また、ゾルゲル法による生成速度を均一化させるために溶媒として高沸点であるD M S O またはD M F を添加したT H F またはdioxaneを用いることが好ましい。本発明により、空気中の酸素や水分による通電時の有機EL材料の酸化による機能低下や短寿命などの従来からの問題が、特殊な封止材料を必要とせずに解決可能になるため、耐候性や化学劣化安定性に優れたEL特性を有する有機系ハイブリッド材料が得られるだけでなく、EL素子製造工程の簡素化・低コスト化が期待できる。
ユーザー業界 概  要

電気・電子
電気・電子
情報・通信
情報・通信
有機ELハイブリット材料の製造方法
  ○耐久性、透光性、耐熱性、ガスバ リヤー性、耐吸湿性、耐候性、及 び化学劣化安定性に優れた有機E Lハイブリット材料

有機材料
有機材料
フラットディスプレーパネル
  ○屋外の小型軽量フルカラー表示装 置に使用する

関連特許 なし
事業実績条件 ・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談
・ノウハウ提供:応相談
・ライセンス制約条件:譲渡または許諾
参考情報 本発明の有機ELハイブリット材料は、透光性、耐熱性、ガスバリヤー性、耐吸湿性、耐候性、及び化学劣化安定性に優れたEL特性を有するものであり、有機EL材料の長寿命化が実現できる。さらに封止材料が必要でないため製造工程が簡素化され、また、従来の方法の大半を占める乾式の蒸着法ではなく、湿式のゾルゲル法を用いることによる製造コストの低減が期待できる。本発明の有機ELハイブリッド材料は、特に使用環境が劣悪である屋外などで使用する、小型軽量フルカラー表示装置などのフラットディスプレーパネルに最適である。また、表面がガラスのように固いので保護シートや膜を形成する必要も無く、耐久性もあるため、使用する際の規制条件を緩和できるものである。



タイトル
(ライセンス情報)
有機ELハイブリッド材料及びその製造方法

出願人    株式会社三重ティーエルオー

ライセンス情報番号 L2005002416

お問い合わせ先

株式会社三重ティーエルオー
技術移転部 
部長 黒淵 達史
〒514-8507
三重県津市栗真町屋町1577
TEL:059-231-9822 FAX:059-231-9829
E-mail:kurobuchi-ad@adp.jiii.or.jp



出願番号 特願2003-175303

公開番号 特開2005-008772

特許番号 出願中

権 利 存 続 期 間 出願中

権利化情報 
出願日/平15.6.19  公開日/平17.1.13  登録日/出願中 

用語解説  
有機EL ・電流を流すと発光する有機化合物からなる物質
ウイッティヒ反応 ・アルキリデンホスフォラン(ウイッティヒ試薬)を用いて、カルボニル化合物をオレフィンに変換する反応
π電子 ・分子の中で、結合軸上になく、軸を含む平面に節をもつ波動関数によって表される分子軌道に属する電子
ゾル-ゲル法 ・金属アルコキシド、アルコール、水、触媒で反応を行い、ゲルを作成し、これを400〜800℃に加熱する反応

参考情報  
 
参照可能な特許流通支援チャート
  :13年度 化学4 有機EL素子
  :16年度 化学4(更新)有機EL素子(材料技術)

原稿作成  
福田 真樹  システム・インテグレーション株式会社 PDF