音源と観測点(受音位置)間の変化する伝播特性を離散的なインパルス応答で再現するシミュレーション手法 |
この特許は音源と受音間の伝播条件が変化するときの伝播特性を離散的に摘出したサンプル位置でのインパルス応答の特性からシミュレーションする手法である。伝播条件は音源、受音の相互の位置関係や相対速度、気圧や雰囲気の組成、さらに減衰体・反射体の存在など様々であるが、それを再現性があるものとして離散的なサンプル点におけるインパルス応答の特性を格納する手段を用いてこれに基づいて各サンプル時点における音源からの信号にインパルス応答を畳み込み演算を行って応答信号を算出する手段と、隣接したこの応答信号に対して時間の経過と共に増加する窓関数と、時間の経過と共に減少する窓関数を掛けてそれを足し合わせる、いわゆるクロスフェード演算手段を持たせることによりこの間の音場信号を計算することで得るものである。従来の技術としての公知例としては音源から特定の受音位置までのインパルス応答を求め、このインパルス応答と音源信号の畳み込み演算によって当該受音位置における音場を演算している。この場合に両者の位置関係が移動したりして両者の間の伝達関数が時間的に変化する場合には時間の経過によりインパルス応答を切り替えて畳み込み演算を行う必要があるが、この場合には生成される音場は不連続なものとなってしまい実用上問題があるので、これを解決するために隣接の演算値をクロスフェード演算で補間している。
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ユーザー業界 | 概 要 |
生活・文化 |
テーマパーク
○乗り物などで移動する観客に対し て良質の音楽や音声情報を提供す る |
土木・建築 生活・文化 |
音声連絡
○作業場との距離や気圧・媒体が変 化する環境下でも確実に音声情報 を伝達する |
輸 送 生活・文化 その他 |
移動体放送
○移動体からの広報放送などを良好 な音質で伝達する |
関連特許 |
なし |
事業実績条件 |
・実施段階:実施無し
・技術導入時の技術指導の有無:応相談 ・ノウハウ提供:応相談 ・ライセンス制約条件:許諾のみ |
参考情報 | この特許を利用できるのは変化するが再現性のある伝播特性の環境であって、しかも品質の良い音響の伝達に付加価値が与えられる市場である。例えば音源と受音位置のいずれかが移動するためのドップラー効果や距離の変動、気圧の変化、雰囲気の変化などによって伝播特性が変化するのを補正する手段としてシミュレーションの結果を利用することができる。この一つの例としてはテーマパーク等における装置によって移動する観客に対して良好な品質で解説やBGMを提供することがある。また他の例としてはダイビングなどでの気圧の変化や空気の組成の変化に対応して音声を補正して提供することにより重要な情報が確実に伝達されるようにする目的での利用である。さらに災害時における移動体からの音声情報の提供にも応用が可能である。 |
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